参加順に投句者の俳句一覧でござぃまぁ〜〜す!また
■色は優勝、■色は殊勲、■色は敢闘、■色は技能賞力士の句でござぃまぁ〜す!

17年

1.絵日傘や国語教師の女装趣味
4.
大人にも宿題はあり遠花火
7.狩り了へし田に猫眠る里の秋
10.失ひし初志いづこにぞ山眠る

2.母の忌や遺品の志野に冷奴
5.バーらんぼお閉じ幾年や胡桃割る
8.焚き火囲む輪の中にほらユダがいる
11.終はらない尻取りつひに大晦日

3.大臣が公務で水打つ世かな
6.鰯焼く解体迫りくる生家
9.ぼんやりとした不安あり日向ぼこ

18年

12.三ヶ日過ぎて具体へ戻りけり
15.我恋す故に我あり猫じゃもの
18.是々非々を座右の銘に青柳
21.蛞蝓の歩みにも似て知命かな
24.
遠雷や心しづかに発狂す
27.髪長き遊撃手あり敗戦日
30.溝口の術中に堕つ夜長かな
33.
生涯につく嘘ほどに落ち葉舞ふ

13.寒灯を拘置所の鉄格子より
16.ぶらんこを漕げば昭和の青き空 
19.初蝶や地下鉄の駅空中に
22.種痘痕無き世代増えころもがへ
25.若さなど何ほどのもの古団扇
28.新秋刀魚呵呵カンターレマンジャーレ
31.八重洲より高き天あり丸の内
34.焼鳥の十四五本も喰ひぬべし

14.席替えをしてみよちゃんと春隣
17.
過ぎ去りし一切は比喩春嵐
20.凪ぎわたる五月の海よ寺山忌
23.引き分けは負けにあらずや冷酒酌む 
26.淡き恋告ぐすべもなく水羊羹
29.厳父よりエアメール来し雨月かな
32.男にも更年期あり冬の海
35.
冬日向猫に欠伸をもらひけり

19年

36.注連飾縄一本の気概かな
39.グレゴール・ザムザを孕む朧かな
42.西行の桜に思ふ死をを想う
45.紫陽花や赤子の尻に蒙古斑
48.夕焼けや母子に違ふ数へ唄
51.風鈴の音色を正す翁の句
54.流星やカンパネルラは今いづこ
57.万本の白菊灯る遺影かな

37.或る時は王者の如く寒鴉
40.
おとうとの頬に紅差す雛の前
43.雑草といふ草は無しみどりの日
46.裸子やかつて世界はかくありき
49.メイドイン昭和の並ぶ夜店かな
52.美しき国とは何処蚯蚓鳴く
55.名月や遠回りして定席へ
58.短日の銀座路頭に迷ひけり

38.老梅や三代続く姉女房
41.春の夢友の弔辞を聞きにけり
44.穴子曰く次に生まれるなら鰻
47.賑やかな喪の列ゆけり青田道
50.水浴びて入れ墨の鯉泳ぎ出す
53.男子一生の仕事とは芋茹でる
56.ポケットの深く理想と団栗と
59.
*************

20年

60.野仏の足元温し福寿草
63.試験日を失念したる悪夢かな
66.紀伊国に貴種流離譚紫木蓮
69.太宰忌や瑕疵あるものを人と言ふ
72.出目金の中に美男も居るといふ
75.土佐野口反町星野皆残暑
78.松茸の大小の是非問ふ勿れ
81.その後の酒宴のための寒稽古な

61.独楽打つや昭和の不良ここにあり
64.山未だモナリザほどの微笑かな
67.囀りや消息知れぬ原節子
70.
*************
73.意外にも硬骨漢の海月かな
76.登高やもう決めたこと確かめに
79.
秋深し人それぞれに余命あり
82.氷河期を見てきたやうな嚏かな

62.隙間風柩の上の缶ピース
65.春愁の前を黒猫よぎりけり
68.春昼や裁判員となる恐怖
71.山寺に芭蕉以前の夏木立
74.
炎天や我が身にひとつ晒し首
77.罰として青春はあり林檎噛む
80.七歳が三歳あやす七五三
83.忘年や忘れてならぬこともあり

21年

84.目出度さは日のあるうちの初湯か
87.のどかさは下り電車に乗る心
90.風光る四条大橋よりの恋
93.大津絵を掲ぐ旅籠の薄暑かな
96.噴水や上下してゐるのは時間
99.いもうとも踊るあほうのひとりかな
102.望郷と書けばあの日の赤とんぼ
105.
湯豆腐や寡黙さ競ふ父と子と

85.若き日の母の強さよ寒椿
88.和を以て貴しと為す蝌蚪の国
91.遠霞時の墓場として故郷
94.十薬を主とも隠れ切支丹
97.遠回りせし来し方や百日紅
100.新涼や龍馬脱藩せし峠
103.生涯に恋の句幾つ星月夜
106.
湯豆腐や寡黙さ競ふ父と子と

86.魚類より進化の果ての懐手
89.三月の甲子園には魔物棲む
92.鯉幟那須野ヶ原を北上す
95.曾祖父はモボと呼ばれき業平忌
98風灼ける歩行者天国なる地獄
101.紅葉谷狂気はいつも美に添ひて
104.泰平の大気を緊める鷹一羽
107.暗転の多き芝居や年の暮

22年

108.去年今年貫く二重螺旋かな
111.ひとときはうすらひとして水の旅
114.失恋の余韻にも似て花疲れ
117.補陀落は南冥はるか那智の滝
120.孑孑や人には人の浮き沈み

109.鮟鱇の吊し切りなる法医学
112.世紀末越へて十年石鹸玉
115.
春燈下誰も死なない物語
118.昼顔やおほらかなりき母の嘘
121.藍染の浴衣非番の巡査なり

110.円空の鑿跡深し春浅し
113.青き踏む然れども書は捨てられぬ
116.群れてなほ孤立恐れず鮎跳ねる
119.
月山の全きを負ふ大夏野
122.蛸壺や引き籠もりとも自適とも

優勝
殊勲賞
敢闘賞

7.狩り了へし田に猫眠る里の秋
24.遠雷や心しづかに発狂す

40.おとうとの頬に紅差す雛の前
60.野仏の足元温し福寿草

1.絵日傘や国語教師の女装趣味
27.髪長き遊撃手あり敗戦日
36.注連飾縄一本の気概かな
62.隙間風柩の上の缶ピース
119.月山の全きを負ふ大夏野

4.大人にも宿題はあり遠花火
12.三ヶ日過ぎて具体へ戻りけり
17.過ぎ去りし一切は比喩春嵐
33.生涯につく嘘ほどに落ち葉舞ふ
35.冬日向猫に欠伸をもらひけり
74.炎天や我が身にひとつ晒し首
79.秋深し人それぞれに余命あり
86.魚類より進化の果ての懐手
105.湯豆腐や寡黙さ競ふ父と子と
115.春燈下誰も死なない物語
121.藍染の浴衣非番の巡査なり


17年


4.大輪の花火が響きおどろきぬ
7.朝夕に身のちじこまる里の秋
10.眠る山足音だけがせまりくる

2.切ざみ葱色どりよろし冷や奴
5.小さき手つぶて握りて胡桃割り
8.日の暮れて焚き火に映るあから顔
11.
めぐりくるひと日かわらじ大晦日

3.涼もとめ地に打ち水顔に汗
6.はらすかしつぁいにもならず鰯くも
9
.寝ころびて鳥のかげのみ日向ぼこ

18年

12.さて一句天井みあげ三ケ日
15.ささやきにほどとうきかな猫の恋
18.
風幽かあらいがいもせず柳かな
21.なめくじや蛇蝎ほどではないものの
24.雷鳴や諸手を耳に臍あらは
27.産声のちから強きや終戦記念日
30.長き夜や母を想いしつづる文
33.ゆるゆると踊りながらの落葉かな

13.寒燈や歩をとめさせてものいわず
16.
ぶらんこや風まとう児の帆のごとし
19.屈むれば鼻先かすめ去りし蝶
22.更衣えボタン弾ける昼餉哉
25.ふわふわとおくれ毛遊ぶ扇子風
28.運動会てるてる坊主軒に揺れ
31.天高く豆粒の吾笑いけり
34.腰おろし焼き鳥二本酒一本

14.春近し浮きたつ心誰もかな
17.思わずや鳥とハミング春の空
20.皐月晴れ風に染めなすその身置く
23.蔵のなか冷酒利きてよき心地
26.道化師の背をむけたりて水羊羹
29.満月や気付かぬ人のありにけり
32.厳しかろ立つことなきや冬の海
35.冬日向犬寝る猫寝る我も寝る

19年

36.父逝きて隣家に見ゆる注連飾
39.意を異に足早まりぬ春一番
42.木のもとの落下小雀あわれ哉
45.紫陽花や色窺いて吐息哉
48.夕焼けや母にあずけしたなごころ
51.向日葵や吾もゴッホとなりにけり
54.四畳半レモンの香り満つるかな
57.白菊やぬくもりもなき手より白く

37.早朝の冷気切り裂く寒鴉
40.初音かや朝まだき谷功徳あり
43.庭先で削る茶杓みどりの日
4
6.会釈せば鏡の裸応えけり
49.梅干しの自慢を聞きてもらいけり
52.晴れの日も合羽のままの案山子かな
55.新蕎麦やたぐりたぐりてながらえぬ
58.よくきたと母喜びて蒲団敷く

38.赤子の歯思わせらるるふくら梅
41.幼き日母とつなぐ手春の夢
44.強爪やひとつ頬射て夏めきぬ
47.泣き虫が母の背求む青田哉
50.西瓜割り球児は睨む白球を
53.村の衆旅人招き芋煮会
56.団栗のすべってころび空青し
59.特売のチキンに手のびクリスマス

20年

60.見たことのありそうな顔福笑い
63.雪解けの川面まばゆき浴びる哉
66.春愁や盃重ね泣き笑い
69.窓開けて初夏のにほひ肌で嗅ぐ
72.靜かにて星生まるごと蛍かな
75.秋暑し八百屋のまえで立ちばなし
78.新米やなにもいらぬよ塩むすび
81.山の村灯の点点と虎落笛

61.手を離れ遊ぶは独楽か我も哉
64.
本を閉じ慌て米研ぐ日永かな
67.囀りを日がな一日聞きおりて
70.辣韮をひと籠もらい四苦八苦7
3.
トマトもぐふし太き母背のまろし
76.雨あがり穂先重たげ猫じゃらし
79.銀杏のはぜる音きき酒を飲む
82.嚔して緊張ほぐれ笑みこぼる

62.老いた母部屋でごそごそ冬ごもり
65.春愁や盃重ね泣き笑い
68.新茶詰め壺を枕に冬を待つ
71.夏木立二人靜かに小休止
74.炎天や軒で留守居ののらの猫
77.めどつきて畦で一服林檎食む
80.七五三ぐずる子を神ももてあまし
82.ものぐさの一月のまま古暦

21年

84.迷いなく右の足から初湯かな
87.のどかさに是好日となにもせず
90.風吹かば雀隠れの蠢けり
93.支度せし筍飯の届きたり
96.噴水や声かき消して天を突く
99.ひぐらしの止む盃のしじま哉
102.赤とんぼ黄金の穂先かすめ飛ぶ
105凩や土鍋囲みて箸行き来

85.俯けば面あげよと寒椿
88.春の雪箋に墨置き余白あり
91.
朝がすみ天に居るごと野良のひと
94.硝子戸に守宮の腹の白きこと
97.楽しみの後悔となり登山かな
100.村人は芝居に見入る秋祭り
103.秋うらら屋根の野良猫あくびかな
106.
湯豆腐や不器用の箸遊びおり

86.懐手遠く見据える龍馬かな
89.三月や胃の腑喜ぶ苦みかな
92.小走りの藤の棚にて雨やどり
95.かけだしの歳時記で識る業平忌
98.もの言わずゆく沢道の涼しかな
101.白き服ほんのり染めし紅葉かな
104.踏まぬ人踏む人もあり柿落葉
107.山茶花の垣根見ゆれば口ずさむ

22年

108.初御空きりりと背筋伸ばしたり
111.
薄氷松葉とじこめ日差し待つ
114.西行に覚えなきかな花疲れ
117.滝行の肌にはりつく白衣かな
120.孑孑の茶柱のごとふらふらと

109.鮟鱇の罰を受くるごと曝されき
112.しゃぼんだまコンクリートの森に消ゆ
115.春燈や団欒の声こぼれくる
118.ひこばえにからむ昼顔楚楚として
121.マネキンも慣れぬ浴衣を着ておりぬ

110.冬木立疎らの家の灯の見ゆる
113.一呼吸生を感じて青を踏む
116.合掌し頭をがぶり鮎食らふ
119.風遊ぶばかりの夏野まぶしけり
122.
干し蛸の日にすけ明石浜の朝

優勝
殊勲賞
敢闘賞

9.寝ころびて鳥のかげのみ日向ぼこ
16.ぶらんこや風まとう児の帆のごとし
91.朝がすみ天に居るごと野良のひと
106.湯豆腐や不器用な箸遊びおり
114.西行に覚えなきかな花疲れ
122.干し蛸の日にすけ明石浜の朝

64.本を閉じ慌て米研ぐ日永かな

11.めぐりくるひと日かわらじ大晦日
19.屈むれば鼻先かすめ去りし蝶
73.トマトもぐふし太き母背のまろし


17年


4.耳ふさぎ目と口あけて見る花火
7.里の秋夕餉の支度煙り立つ
10.眠る山音もせぬのが兆しかな

2.冷ややっこ茗荷のせて乙にゃる
5.栗鼠落とす根付けにするか鬼胡桃
8.酒すすみ焚き火を見つめ言葉なし
11.待つ思い流連(居つづけ)きめた大晦日

3.打ち水や二の腕あらわ浴衣の娘
6.
七輪の煙の先に鰯雲
9.日向ぼこ野に吹く風の音もなし

18年

12.月昇る日も又昇る三ケ日
15.駆け登る夜の米蔵猫の恋
18.
柳影ゆらぎし水面風遊ぶ
21.なめくじら輝く跡の裏長屋
24.遠雷や今日をかぎりに空ひらく
27.朝顔やみわたす程に咲きほこり
30.武相荘主に似たり木守柿
33.酉の市値切ってはずむ祝儀哉

13.寒燈の瞳に映る大宇宙
16.ぶらんこやゆらり夢みし鳥となり
19.山の蝶峯より高く舞い昇る
22.更衣たまさかに見る伊達女
25.白扇に涼の一文字大書する
28.ほくそえむあふれし網の秋刀魚哉
31.荒城の主はちちろ北高尾
34.藁苞や偲翁ぞ梅里納豆汁

14.無尽蔵ポコリで気づく春隣
17.ほろほろと笑う娘(こ)ゆかし名はお春
20.里山の貴公子歩む五月哉
23.喜多方で旧交あたためひやし酒
26.禅写経点茶無心水羊羹
29.残月や漲る霊気裏高尾
32.
象潟や岩に花咲く冬の海
35.峠道むすびと冨士の冬日向

19年

36.若菜野やかがむ老婆の長き影
39.北帰行順風満帆春一番
42.段葛いざ鎌倉に桜舞う
45.想うまま恋したまえよ濃紫陽花
48.野山越えどこまで続く蟻の道
51.天下一陽と向日葵のにらめっこ
54.抜ける空身心癒す檸檬かな
57.
背丈より高く薪積み冬支度

37..凪の海恵方詣の人の波
40.鶯や瞑りておれば颯と過ぐ
43.ミシュラン選大人の遠足みどりの日
46.ソーダ水若き日偲び泡弾けり
49.ガラス玉ダイヤとみまがう夜店の灯
52.影長し肩にカラスの案山子かな
55.新蕎麦や手繰りて遊ぶ齢かな
58.ひとり寝や固い蒲団の百年目

38.白梅や奇しき枝と我かさね
41.一睡の泡と消えゆく春の夢
44.品川や旅立つ朝の穴子飯
47.白鷺やどじょうひとのみ青田かな
50.西瓜割り欲と迷いで大笑い
53.芋焼きてただそれだけで天下一
56.団栗の火に爆ぜる音肝潰す
59.子どし待ち爪とぎ済ますかまど猫

20年

60.ほっこりとただほっこりと福寿草
63.落第や試練醍醐味習い居り
66.春愁や花咲みだれ杯かさね
69.けだるさや初恋の味桜桃忌
72.
佃島長い影絵の金魚売り
75.万惣の山如八百屋残暑かな
78.新米の炊く香肴にもう一杯
81.虎落笛総持寺祖院只寛太座管打坐

61.苦しめど愛でたく一句ひねり独楽
64.緑にも色々ありて山笑う
67.白らむ空増すさえずりの山路かな
70.辣韮やどこまでが皮どれ身ハ素
73.
夜の海月見て笑う海月かな
76.蝶の舞い高きに登るグラバー邸
79.銀杏の降る音に猫すくみけり
82.阿仁まだぎ血迷い惚れし雪女郎

62.隙間風練炭火鉢事も無げ
65.春愁や花咲みだれ杯かさね
68.春昼や憂きことうすれ夢の中
71.屋上に富士借景の夏木立
74.炎天や白衣観音輝けり
77.おさな子のほっぺの如き林檎成る
80.飴袋引き擦りはしゃぐ七五三
83.日めくりて古暦のみダイエット

21年

84.手鞠の子そして蹴鞠のリフティング
87.のどかさや大欠伸する子猫かな
90.捨得碑開眼法要風光る
93.手拭いを被り精出す薄暑かな
96.噴水の飛沫七色橋架かる
99.蜩や一日の憂さ晴らしけり
102.霧島や身の丈越ゆる草の花
105.凩や唐変木に枝はなし

85.寒椿頬笑みかえす野辺地蔵
88.鳴かずばと譜面におどる蛙の子
91.由比ヶ浜光りも風も夏近し
94.吹き溜り夜毎の酒宴どくだみ荘
97.修道女白百日紅見つめけり
100.
小石川後楽園に月冴える
103.秋霖の中杉通り焼たてパン
106.湯豆腐や気の和むなり南禅寺

86.懐手香合あそぶたなごころ
89.三月は風に吹かれて雲に乗り
92.クラブ持つ武者絵ハニカム幟旗
95.光琳と仁清出逢う業平忌
98.灼くる日の逃げ水追うが如き恋
101.陽に透かしみる紅葉哉
104.埋火に秘めたる思い重ねおり
107.童らの尻餅笑顔だいこひき

22年

108.獅子舞にこうべ噛まれて泣く童
111.目の覚める茶漬の海苔の青さかな
114.俗世に夢をさ迷い花疲れ
117.滝拝みチャリで登りし那智大社
120.孑孑ごとき候補者差参院選

109.着たくない赤い祝いのちゃんちゃんこ
112.つくしんぼ嫋やかなれど灰汁強し
115.春ともし夕餉の香り開けた窓
118.昼顔の影はやすやす基地の中
121.浴衣の娘カラコロと路地駆け抜けり

110.春近し陶淵明の田園に
113.禅堂を出でて俗世に青を踏む
116.焼鮎の尾ひれの塩で盃重ね
119.背のびして夢さがしおりその夏野

優勝
殊勲賞
敢闘賞
技能賞

33.酉の市値切ってはずむ祝儀哉
57.背丈より高く薪積み冬支度

72.佃島長い影絵の金魚売り
73.夜の海月見て笑う海月かな
85.寒椿頬笑みかえす野辺地蔵
100.小石川後楽園に月冴える

6.七輪の煙の先に鰯雲
32.象潟や岩に花咲く冬の海

37..凪の海恵方詣の人の波


17年


4.船宿の障子に滲む花火かな
7.歌舞伎町区役所通り里の秋
10.山眠る獣の息吹き糧として


5.蔓籠の胡桃交はる鬼と姫
8.
流木や焚火に宿る鎮魂歌 
11.
銭湯の太き煙や大晦日

3.打水の消えゆくまでの逢瀬かな
6.ちゃんこ番小鰯捌く太き指
9.日向ぼこ活字大きな季語辞典

18年

12.綾取りの糸に絡まる三ヶ日 
15.恋猫の混迷の恋此処彼処
18. 芽柳や銀座に残りし通学路 
21.露地物の穴の勲章なめくぢら
24. 遠雷やジントニックをもう一杯
27.還暦やなほ巡りゆく敗戦忌
30.独り言独り按摩の夜長かな
33.日溜まりのジグソーパズルの落葉かな

13.冬灯(ふゆともし)国民年金催促状 
16.ぶらんこの舟あの空へあの月へ
19.
藍染めの暖簾を抜けし紋白蝶
22
.ポケットの底の記憶や更衣
25.白扇や惑う潮の香昼の宿
28.
空耳のオクラハマミキサ−運動会
31.天高し横断歩道に雲止まる
34.
納豆の糸に絡まる妻の愚痴 

14.ぬけぬけと朝帰りして春隣
17.
春光を束ねて覗く万華鏡
2
0.万物の一端光りし五月かな
23.爪を研ぐ影を映すや冷の酒
26.ギヤマンに水羊羹の肩揺れし
29.盃の月飲み干せぬ腑甲斐な
32.
犬もまた遠き眼をして冬の海
35.静かなる古き団地や冬日向

19年

36.若菜摘ひと葉ひと根の願ひあり
39.春一番グーグルアースで探しをり
42.散り急ぐ桜並木に風起ちぬ
45.
新緑を両の手に抱く朝湯かな
48.夕焼けや夕暮れまでの大欠伸
51.風鈴の秘めごとひとつふたつみつ
54.泣き濡れてレモンスライスの月かな
57.歳時記を並び替へたる冬支度

37.昼の月見上げて嗤ふ寒鴉
40.鶯や鎌倉五山風渡る
43.亀鳴くは無声映画の濡れ場かな
46.裸子に羽根などつけて遊びけり
49.夜店からおかめひよつとこ連れ帰り
52.校章を胸に案山子の青ジャージ
55.
月光にゆだねて海の鼓動かな
58.蒲団打つ音に流儀らしきもの 

38.薄闇の紅梅白梅あるがまま
41.
春の夢およびでないと高笑ひ
44.坪庭の影膨らむや夏兆す
47.
Y字路や右も左も梅雨の街
50.水浴びや盥(たらい)の中の小宇宙
53.秋場所や隅田の風に触太鼓
56.団栗や一人遊びの帰り道
59.聖戦の無き世この夜聖誕祭

20年

60.整形を見破る妻の福笑ひ
63.
水音のまだ深くして雪解沢
66.酔眼の黒目重なる蜆汁
69.初夏や影に確かなにほひあり
72.
夏ひとつ越えし金魚の吐息かな
75.地団駄を踏み違えたり秋暑く
78.新米のいの一番の塩むすび
81.儘ならぬ見過世過や虎落笛

61.独楽のごと回る地球の朝ぼらけ
64.
大仏の軽き衣や山笑ふ
67.キユーピーの人形囀り聴いてをり
70.
島らつきよう噛みて潮騒聴いてをり
73.青空の子等の笑顔やトマト食む
76
.下駄鳴らし高きに登る音羽富士
79.秋深し鬼を忘れてかくれんぼ
82.
太郎冠者気取ってひとつ大嚔

62.摩り寄れど素肌に痛し隙間風
65.
春愁や黄身のくずれし目玉焼き
68.沈みゆくダリの時計や春の昼
71.残像の古き校舎に夏木立
74.炎天の伸びゆく影や托鉢僧
77.籾殻に潜む林檎や玉手箱
80.玉砂利に弾けし笑顔七五三
83.揺れなずむ紙飛行機や古暦

21年

84.静かなる宇宙遊泳初湯かな
87.長閑なる気配濃くあり今朝の夢
90.少年の軽き翼や風光る
93.指で読む等高線の薄暑かな
96.噴水を遮る雲のひとつあり
99.踊りの輪解けて淋しき音頭かな
102.赤蜻蛉夕陽の中へ帰りけり
105.小糠雨今宵湯豆腐小鍋立て

85.獅子舞や金歯の奥の笑ひ顔
88.世の憂さを集めて黒き春の雪
91.
下駄箱の下駄微笑みて夏近し
94.十薬や花の水脈探しをり
97
.掠れゆく飛行機雲や百日紅
100.鯛焼の尻尾残して秋暑し
103.宵待の大徳利の軽さかな
106.小糠雨今宵湯豆腐小鍋立て

86.思案尽き思案弄る懐手
89.
三月やさらり流れぬ砂時計
92.借景は雲の流れや鯉幟
95.骨盤を揺らす女やさくらんぼ
98.涼しさを水琴窟の音に拾ひ
101.ペラペラの紅葉へらへら笑ふ街
104.洋館の影の長さや冬薔薇
107.イマジンの空広げゆく師走かな

22年

108.メビウスの輪のうらおもて去年今年
111.薄氷を踏む子踏まぬ子通学路
114.写メールの届き届きて花疲れ
117.青空に舞い戻りたる滝の音
120.孑孑や浮世の旅路さまよひて

109.子守唄聞いて聞かせてちゃんちゃんこ
122.飛びいでし光の息吹シャボン玉
115.春燈や白い鯛焼買ひませう
118.昼顔の濡れてはかなき薄化粧
121.大輪の花笑ひたる浴衣かな

110.紅梅の空に笑ふや鬼瓦
113.武蔵野や風しなやかに青き踏む 
116.命日の鮎の甘露煮父の膳
119.少年の蒸気機関車夏野かな
122.
宿酔や前頭葉に蛸遊ぶ

優勝
殊勲賞
敢闘賞

3.打水の消えゆくまでの逢瀬かな
11.銭湯の太き煙や大晦日
17.春光を束ねて覗く万華鏡
19.藍染めの暖簾を抜けし紋白蝶
22.ポケットの底の記憶や更衣
32.犬もまた遠き眼をして冬の海
36.若菜摘ひと葉ひと根の願ひあり
45.新緑を両の手に抱く朝湯かな
55.月光にゆだねて海の鼓動かな
58.蒲団打つ音に流儀らしきもの
64.大仏の軽き衣や山笑ふ
65.春愁や黄身のくずれし目玉焼き
76.下駄鳴らし高きに登る音羽富士
85.獅子舞や金歯の奥の笑ひ顔
89.三月やさらり流れぬ砂時計

20.万物の一端光りし五月かな
28.空耳のオクラハマミキサ−運動会
37.昼の月見上げて嗤ふ寒鴉
47.Y字路や右も左も梅雨の街
63.水音のまだ深くして雪解沢
70.島らつきよう噛みて潮騒聴いてをり

8.流木や焚火に宿る鎮魂歌
34.納豆の糸に絡まる妻の愚痴
41.春の夢およびでないと高笑ひ
72.夏ひとつ越えし金魚の吐息かな
91.下駄箱の下駄微笑みて夏近し
97.掠れゆく飛行機雲や百日紅
122.宿酔や前頭葉に蛸遊ぶ


17年


4.花火消え一灯もなき黄泉の道
7.
里の秋一村あげて長寿なり
10.甲斐信濃煙りて遠く山眠る


5.
音たてて胡桃割るなり昼の酒
8.火を焚くや童となりて謡ふなり
11.大年のメトロ軋みて地の底へ

3.水を打つ墓の主は大悪党
6.
海の香や鰯一匹飯二膳
9.
うたた寝の夢は緋の色日向ぼこ

18年

12.三ガ日会ヒタイヒトナク大ザケノンダ
15.
恋猫の口惜しかるらん鼻の傷
18.墨東の川添柳のいまむかし
21.蛞蝓ひともひとりの夜半なりき
24.鳴神や横に小走り五人斬る
27.再読ス「俘虜記」八月十五日
30.アナーキズムさと呟き夜長の客帰る
33.二の酉や吉原(なか)の仔細は耳学問

13.老猫の水飲む音や寒灯下
16.ふらここや昔廓のありし街
19.蝶の羽根震へ無調のジャズ走る
22.
衣替へ家なき人の紙袋
25.ひとつだに扇子動かず大勝負
28.
秋刀魚には酒か飯かと問はれけり
31.秋高し尻向けて去る飛行船
34.清貧はわが意ならずも納豆汁

14.遠富士や春まぢかなる高架駅
17.生きる気も死ぬ気もなくて又の春
20.目を閉じて五月の蠅を愛ほしむ
23.冷酒や馬鹿もするなり自己主張
26.
客無口主苦虫水羊羹
29.月明や胸に狂気のかけら在り
32.冬の海煩悩凍てて砕け散る
35.例ふれば冬日の下の海の色

19年

36.若菜つむ祖母の躾のまま嫁ぎ
39.おぼろ月大事なひとの名も忘れ
42.花の下死にたくもあり死にたくもなし
45.新緑や登れど低き甲斐の山
48.齷齪と働くだけの蟻であり
51.
風鈴や出るに出られぬこの長屋
54.吾がために流れて消えし星一つ
57.菊に埋もれ居心地も良く棺の中

37.寒鴉呵呵大笑し飛び去りぬ 
40.雛しまふ母の背にはかに姥めきぬ
43.ひげ眼鏡ねこ背の君やみどりの日
46.焼け野原裸、裸足の餓鬼なりき
49.
小坊主が梅干す寺に泊(は)つるかな
52.酒くめば濁世の庭に蚯蚓なく
55.月満ちて永遠の命をもてあます
58.短日や半身で酒待つ立ち飲み屋

38.白一輪窓越しにあり梅見酒
41.
こち風や冷たき下駄の履きごこち
44.
掃苔を果たし谷中の穴子鮨
47.青田風しゃがみ煙草の田人かな
50.首タオル三途の川へ水浴びに
53.芋煮えて出羽の山なみ雲の中
56.
五稿目で誤植見つけし夜業かな 
59.降誕祭一夜奇蹟を夢想する

20年

60.福寿草たれがつけしかめでたき名
63.雪解けてものみな眩し今朝の街
66.ぷつぷつと夜半の蜆の不満かな
69.嫌いとは好きのことなり桜桃忌
72.蛍ひとつ善福寺川を渉りけり
75.秋暑しきみ仙丈の頂きへ
78.
庫裡に立つ父の笑顔や今年米
81.湯気の立つ裸身並みゐる寒稽古

61.ポケットに勝独楽一つ一人っ子
64.痒き背に孫の手さがす日永かな
67.囀りやゴム鉄砲を空に撃つ
70.競べ馬人の世にある勝と負け
73.囓られ破顔一笑大蕃茄
76.登高すもとより低き多摩の山
79.銀杏降るハイドンもれる奏楽堂
82.雪女郎つもりし話の二つ三つ

62.発禁の奇書枕頭に冬ごもり
65.風車まわるを拒むひとつあり
68.春昼や無思想にして無節操
71.
夏木立じっと立ってる笠智衆
74.独酌のぬるい麦酒や倫敦塔
77.*************
80.狐狸が来て盗み酒する山の寺
83.古暦余すは有馬記念のみ

21年

84.手毬のごとサッカーボールを操れり
87.現世(うつしよ)は夢の手枕のどかなり
90.雀隠し繁れる裏より登山道
93.新訳でチャンドラー読む薄暑かな
96.
河童忌や均一棚の句集買ふ
99.短足の連衆集ひて踊らんかな
102.赤とんぼ番ひて飛ぶや西目指し
105.************

85.紅は命の色ぞ寒椿
88.雪やコトコト煮ゆるポトフ鍋
91.夏近し少女投手は下手投げ
94.
*************
97.************
100.ジーンズに大穴小穴秋涼し
103.秋の夜半誰が口笛か革命歌
106.************

86.髭面の浦人鮫をぶったぎる
89.三月や我が鬱と飲む今宵酒
92.沿線に一瞬の白藤の花
95.さくらんぼおらが在所の小さき冨士
98.灼けし岩攀ればはるか甲斐信濃
101.竃馬なが咎なるやその姿
104.
冬に入る日記に一語晴と記す
107.年の瀬やむかし阿佐ヶ谷文士村

22年

108.襷かけ叔気の宿場駆け抜ける
111.海苔あぶるただ酔ふための酒なれど
114.川沿いの道の往き来や花疲れ
117.山雨の熄めば瀧音たかまれり
120.ぼうふらのぼの字のあたりの眼かな

109.水戸っぽの訛りすさまじ鮟鱇鍋
112.色といふ色を尽くしてしゃぼん玉 
115.春燈や獄死せしものみな若し
118.昼顔や廓のむかし知るごと
121.笑み浮かべ浴衣まといて棺の

110.恩師みな根の国にあり寒昴
113.踏青や野川渉りて深大寺
116.おとり鮎消へゆく魚影あはれなり
119
.古着屋ののアロハは緋色夏野原
122.浦風や吊られて揺れる蛸の列

優勝
殊勲賞
敢闘賞

5.音たてて胡桃割るなり昼の酒
6.海の香や鰯一匹飯二膳
13.老猫の水飲む音や寒灯下
15.恋猫の口惜しかるらん鼻の傷
41.こち風や冷たき下駄の履きごこち
49.小坊主が梅干す寺に泊(は)つるかな
110.恩師みな根の国にあり寒昴

3.水を打つ墓の主は大悪党
16.ふらここや昔廓のありし街
26.客無口主苦虫水羊羹
71.夏木立じっと立ってる笠智衆
109.水戸っぽの訛りすさまじ鮟鱇鍋

22.衣替へ家なき人の紙袋
28.秋刀魚には酒か飯かと問はれけり
51.風鈴や出るに出られぬこの長屋
56.五稿目で誤植見つけし夜業かな
78.庫裡に立つ父の笑顔や今年米
96.河童忌や均一棚の句集買ふ
104.冬に入る日記に一語晴と記す
112.色といふ色を尽くしてしゃぼん玉
119.古着屋ののアロハは緋色夏野原


17年


4.歓声に打ち上げ花火色を変え
7.雨の度色を失う里の秋
10.彩りも綿を羽織り山眠る


5.鎧着た胡桃の中は酒の友
8.*************
11.乳くれと鳴き声止まぬ大晦日

3.空泳ぐ鰯雲さえ腹肥ゆる
9.鳴き声もひなたぼっこに寝息へと

18年

12.親と子のあくび合唱三が日
15.路地裏で愛を叫ぶか猫の恋
18.
風に酔い柳は枝で千鳥足
21.蛞蝓も歩めばそこに虹の道
24.ジャズ聴き静かに眠れ雷よ
27.絵日記に朝顔描いてひとしずく
30.柿盗み罰があたって渋り顔
33.よちよちが落ち葉踏みしめ楽しそう

13.夜空の矢家路教える冬灯り
16.童待ち花びら乗せるブランコよ
19.昼寝の子起こさぬように蝶が舞う
22.衣更小さな服に子が笑う
25.風を見て一句ひねるも扇子なし
28.煙り吐く此処もあそこも秋刀魚かも
31.縁の下下宿人は蟋蟀か
34.焼き鳥の串の数だけため息か

14.枯れ枝も色気戻して春近し
17.見知らぬも盃回し春たのし
20.五月晴れひごい元気に泳ぎ出す
23.冷酒よ妻の冷や水割れもせず
26.みそっ歯が水羊羹に跡残し
29.線路脇秋桜揺らす風通過
32.
*************
35.振りむけば除夜の鐘も闇に消え

19年

36.注連飾り電飾にはすくい投げ
39.子の病抱きしめる空朧月
42.桜散る子は花びらと鬼ごっこ
45.脳トレや酸味は赤か紫陽花よ
48.公園の遊び忘れて蟻見つめ
51.向日葵や我を見下ろし誇らしげ
54.居酒屋にさわやかな風生檸檬
57.押し入れの宝見つかる冬支度

37. 寒鴉どんより空の黒子なり
40.なき比べ赤子に勝てぬ鶯や
43.みどりの日色づく里に水鏡
46.ソーダ水風呂の泡さえ喜ぶ子
49.縁側に梅干し並びバリケード
52.マネキンの隠居先は案山子かな
55.飲み過ぎの月光仮面月影に
58.強者も蒲団の中であと五分

38.梅の花紅白戦に待ったなし
41.ほろ苦い恋の行くへは春の夢
44.夏めきて木陰を探す散歩道
47.梅雨空に散歩できぬ子嵐なり
50.水浴びのしぶきを飛ばせ小さな手
53.芋の葉の上で転がる露キラリ
56.団栗がコロコロコロと子を囲み
59.仕事前我を誘うか竈猫

20年

60.心待ち福寿草の咲くを聞く
63.
雪解けて泥靴並ぶ軒の下
66.蜆汁湯気の向こうに老婆の手
69
.胸元のつばさ広がる初夏かな
72.浮かんでは何おか言わん金魚かな
75.居酒屋で過ぎ行く残暑飲みほささ
78.箸すすむ新米の湯気妻隠し
81.いたずらっ子空を駆け抜け虎落笛

61.独楽まわす術を知らぬ子八つ当たり
64.彩りを裾に広げて山笑う
67.*************
70.人馬とも必死にかける競馬かな
73.食べ頃のトマトの皮をそっと剥き
76.少年の秘密基地にもねこじゃらし
79.銀杏の殻割り楽し酒の友
82.
アメ横の賑わい抜けて嚔かな

62.台所妻の背見えて隙間風
65.風車早く回れと子も回り
68.新茶の薫り漂う母の居間
71.
道程を銀で一筆蝸牛
74.炎天下ホームベースへダイビング
77.
リンゴ持つ幼き手にも力あり
80.晴れ着着て困惑顔の七五三
83.古暦財布の中と似たりかな

21年

84.手鞠持ち遊びせがむも投げられず
87.土手の風眠り誘いて長閑なり
90.
ランドセルお守り揺れて風光る
93.公園の水辺賑わう薄暑かな
96.噴水や高く低くとくぐり抜け
99.蜩とただいまの声競い合い
102.赤蜻蛉子の歌声に空見上げ
105.湯豆腐の煙り上りて歳をとり

85.獅子舞を真似てカチカチ小さき歯
88.悲しみを大地に散らし春の雪
91.朝霞三途の川も近くなり
94.切り花にされぬ哀しきどくだみよ
97.百日紅ワンパク大将花見上げ
100.台風の目の数聞かれ化け物に
103.
鰯雲山を枕に一休み
106.湯豆腐の煙り上りて歳をとり

86.飲み明かし一人家路の懐手
89.蓬採り休耕田に老婆有り
92.木陰有り見上げる天に藤の花
95.黄色なりサクランボ狩り罪作り
98.涼風が暖簾揺らして我誘い
101.技見せて谷底深く紅葉散る
104.渋柿の食べ頃まだかと鳥に聞き
107.奇声あげ一人遊ぶ子師走かな

22年

108.凧揚げの風よ吹け吹け天目指し
111.冷戦も水に流せと薄氷
114.昨日今日名所訪ねて花疲れ
117.白糸が大岩滑り滝壷へ
120.孑孑や音もなき池母の知恵

109.神田川銭湯出てちゃんちゃんこ
112.石鹸玉空に飲まれて露となり
115.春燈の街を眺める車窓かな
118.辻に咲く世間話と昼顔と
121.浴衣着のうなじに熱き視線かな

110.豆まきのお面の下は笑顔なり
113.*************
116.鮎釣りの名人待ちて火をおこし
119.草の罠遊び覚えし夏野かな
122.茹で蛸を睨みつけても四十肩

優勝
殊勲賞
敢闘賞

63.雪解けて泥靴並ぶ軒の下
77.リンゴ持つ幼き手にも力あり
90.ランドセルお守り揺れて風光る

103.鰯雲山を枕に一休み

69.胸元のつばさ広がる初夏かな
71.道程を銀で一筆蝸牛


17年

4.いたいぞ落ちて廻るぞねの花火
7.里の秋土手で一服コーヒールンバ
10.山眠りしゃくり小僧が神を吐く

5.*************
8.ごんぎつね焚き火ドロンで火事たぬき
11.煩悩がまた一つ増え大晦日

6.鰯の目炙りもだえる烏合たち
9.日向ぼこ白河の舟昼行灯

18年

12.屋根の下駄晴れだったはず三が日
15.別れ際二度鈴鳴らす猫の恋
18.面影と髪断ち裂きてなほ柳
21.相合と傘ひかる路なめくじら
24.落雷と拳固と背中遠くなり
27.
終戦日ラムネの中の日本人
30.縁談の父の苦虫柿の顔
33.酉の市待ち人いづころくろ首

13.寒燈に白熊が泣くヨイトマケ
16.ぶらんこの三千回の生死かな
19.のざらしや戦場の首蝶の宿
22
.いろはままだるま手のでるころもがへ
25.間男の影が扇子に畳の目
28.にらみ合い秋刀魚一匹はぐれ猫
31.死刑台こほろぎが鳴く靴の中
34.妻が逃げ納豆が床にぽた落ちた

14.西を向くユーラシアの果て春隣
17.あたま山春や賑わう水の音
20.蒼ざめし五月の天馬群れを抜く
23.冷し酒冗句は御法度糸の滝
26.水ようかん星の子散らす豆みっつ
29.月を乗せふたりで歩く銀の道
32.帰り花青い鳥には見へぬ花
35.胸の傷冬日に透かし一度泣く

19年

36.ものぐさも腹の内かな初若菜
39.沈黙の身体うらはら朧月
42.雀の子ジェンカ踊りて飛び去れり
45.紫陽花や天安門に散った花
48.
蟻殺し少年の目の瞬かぬ
51.向日葵の囁き逃れ耳落とす
54.
流れ星昨夜最期についた嘘
57.全裸なるオマエの心冬支度

37.寒鴉眼の中阿呆の首縊り
40.人妻に口吸いの水鶯や
43.
象あくび地球ころげて亀が鳴く
46.丸裸素っ裸より恥ずかしい
49.魚の骨梅干を添へ湯を落とす
52.ゴルゴタの丘に佇む案山子かな
55.*************
58.短日やトロッコ帰りのべそ小僧

38.早春の己を知らぬへその下
41.東風に乗り太平洋とフラダンス
44.厳島往きもかへりも穴子飯
47.青田中モノクロばばぁに色を見る
50.水浴びし隻脚の象はぐれけり
53.しげしげと芋の面見る検死官
56.団栗のポケット一杯家路かな
59.竈猫べろ出て手が出てお足出す

20年

60.丹下左膳高笑いする福笑う
63.受験生敷居を跨ぐ左足
66.真犯人無口にすする蜆汁
69.
借りた傘返しにゆくよ桜桃忌
72.父の靴戻りぬ朝の金魚かな
75.むしゃぶりて無花果の毒舌を射る
78.新米や土塊の手にあふれけり
81.虎落笛背中丸めたギター弾き

61.軸のぶれ初恋落とし独楽名人
64.白山の天狗と舞いて笑ひけり
67.*************
70.辣韮に存在理由を問うてみる
73.トマト畑手渡し火照る白い姉
76.登高や甲羅干しする亀井さん
79.秋深しフンをころがす偉い人
82.行き倒れ踏まれ謗られ半嚔

62.仁王門西から東へ隙間風
65.春愁やでんぐり返る欲と肉
68.
春昼や円空座して臍を掻く
71.あの子らがみな消へてつた夏木立
74.炎天や原爆投下五分前
77.秋雨やさらば愛しき北の岳
80.七五三しらぬ女と手をつなぐ
83.
古暦アナタハココニずっといる

21年

84.坂の下鞠のない子の手鞠唄
87.長閑さやあかい遊女がべろを出す
90.
*************
93.*************
96.*************
99.蜩やあんちくしょうをぶん殴る
102.思春期がまた来たみたい草の花
105
.凩や唐変木に枝はなし

85.忌の女笑み押殺す寒椿
88.蝌蚪おもふ山椒魚になりけり
91.
夏近し最終バスの窓を閉め
94.山小屋に守宮とふたり空に星
97.
*************
100.しかられて転んじゃったよ天高し
10.サイレンに振り向けず釣瓶落しかな
106.*************

86.隻眼の鮫にぶち込め父の銛
89.土の中三月の死を踏みしめる
92.半月は鯨の骨の幟かな
95.
*************
98.*************
101.たましひの消へてゆく日の紅葉かな
104.鴨たちは考えてない浮かんでる
107.*************

22年

108.初場所や辰巳芸者の揃い踏み
111.薄氷を踏むガリバーの変声期
114.花疲あなたの嘘をまた聞いた
117
.黒柳徹子の黙る滝の前
120.無思想の民の血を吸え孑孑や

109.バケツのせたどんにほうきちゃんちゃんこ
112.シャボン玉マルコポーロとジパングへ
115.春燈や空気の底に我しずむ
118.昼顔のまたはじめから石ヲ積む
121.浴衣着のおんなに土下座熱海の夜

110.マスクして愚図の尻蹴る女の目
113.青を踏む赤いパンプスほぼスッピン
116.囮鮎光る女を求めけり
119.天の下牛糞まみれし夏野かな
122.たこ八郎ゴールデン街より海に消ゆ

優勝
殊勲賞
敢闘賞
技能賞

69.借りた傘返しにゆくよ桜桃忌

43.象あくび地球ころげて亀が鳴く
48.蟻殺し少年の目の瞬かぬ
83.古暦アナタハココニずっといる
91.夏近し最終バスの窓を閉め

27.終戦日ラムネの中の日本人
54.流星に昨夜最後のついた嘘

14.西を向くユーラシアの果て春隣
22.いろはままだるま手のでるころもがへ
68.春昼や円空座して臍を掻く
117.黒柳徹子の黙る滝の前


17年


7.漲りてベコが放り出す里の秋
10.
諏訪病棟看護婦の背に山眠る


8.藪に溶け焚き火掻き消すブロンソン
11.
大年や羊羹の端というところ

6.溜息と共に焼かれるる鰯かな
9.あれやこれ足らぬ世なれど日向ぼこ

18年

12.底辺×高さ÷三が日
15.
少年に秘密基地あり猫の恋
18.マドンナの枝垂れ柳か寅次郎
21.小津の無の墓に泪の蛞蝓
24.いかづちや天空の使徒テロリスト
27.無為を為し無事を事して終戦日
30.長き夜や時の過客は冥王星
33.
鼻ピアス長き願いの酉の市

13.デカダンへ誘う寒燈地下に地下に
16.ふらここやふぉあぐらきゃびああとなんだ
19.人の世は教わるばかり蝶の旅
22.団欒の止まった時計ころもがえ
25.果報とは千夜一夜の絹扇
28.心地よい風が吹く日に秋刀魚焼く
31.
万策も尽きて大の字秋高し
34.老女あり焼鳥焼酎軽き嘘

14.豆腐屋の湯気薄らぎて春隣
17.行く春や飛行機雲のいさぎよく
20.うたたねて空に吸われる五月の子
23.
冷酒や枯れ木に花が咲く不思議
26.ムフムフフ主も悪よの水羊羹
29.
昼の月若き巡査の大あくび
32.朝も夜もこの世もなごり帰り花
35.冬日向幼く母子の影法師

19年

36.潔癖なほどに独り身若菜買う
39.
春一番都大路の放屁かな
42.電線の五線譜小雀四分休符
45.新緑といえば阿佐ヶ谷並木道
48.迷へども蟻の処世を見倣わず
51.
向日葵や少年の肌変わりゆく
54.古書店に黄ばむ檸檬のあるは常
57.東京は鉄骨の町窓の菊

37.己が身も閉店セール寒鴉
40.行く先はうぐひすの音を踏むところ
43.
煙草吸喫う喪服女に亀鳴けり
46.憮然たる店主しり目のソーダ水
49.
肩口に龍睨みおる夜店かな
52.田の案山子名月を見る術もなし
55.月在りて父の口癖ぬしゃ鼈
58.
短日のお尻こきこき一輪車

38.一輪の押し花の梅季語辞典
41.真実は腐臭を放つ春の夢
44憚るを知らぬ君等に夏兆す
47.
生産を為さぬ男と青田往く
50.巡礼の水浴びる河屍あり
53.思想家や芋の煮っ転がし塗りの箸
56.
団栗や本郷菊坂下駄の音
59.参道の灯明聖夜を迎え討つ

20年

60.福笑い目から鱗の落ちるごと
63.母はいま昼寝の盛り受験の子
66.春愁や遮二無二咀嚼す癪の種
69.深呼吸初夏の空気を濾過して屁
72.目眩する時の早さや舞う蛍
75.万歩計机の上の残暑かな
78.
新米やいま故郷に在るこころ
81.父さんを見送る傘や寒稽古

61.ふと開く虚子の季寄せや女正月
64.啼いて鴉飛んで鴉の日永かな
67.饒舌な大人の遠足艶話
70.シャケ弁のラッキョ温まる不興かな
73.野のトマトほふばる先の夕陽かな
76.猫じゃらし家でした娘の帰るころ
79.銀杏やびょくびんぼう泣き処
82.仰ぎ見ればダビデのフグリくっさめくっさめ

62.密告の首尾におののけ隙間風
65.春愁や遮二無二咀嚼す癪の種
68.心音に触れて春昼指の反り
71.変化する花の恋草かたつむり
74.炎天に焼きつけられて逆さ富士
77.林檎剥き母の気をひく子でありし
80.ジャパーンいい國だったねたぬき汁
83.イヴ前夜破り捨てます古暦

21年

84.介護士の鈍り懐かし手鞠唄
87.お若いと言われ長閑な日となれり
90.神童は雀隠れと成人す
93.弔辞読む下策役者に薄暑くる
96.石鹸の縮む早さや河童の忌
99.水底に踊り疲れて眠る村
102.赤とんぼつかれたのならやすみなさい
105.小春日や時の早さに目眩する

85.落陽や越後獅子舞う日本海
88.遺伝子は満々として蝌蚪の水
91.深淵がぬぅと顔出す春霞
94.残照や割り箸の墓どくだみ草
97.末世へと登り行く仁王の名の山
100.新蕎麦に歯の衰えを教えられ
103.長々の無所属の時秋刀魚焼く
106.
ゆどうふやおいでくださいこんな夜は

86.夜の海満ちて恋鮫ッ噛み合ふや
89.三月や我が輩も今ノラやノラ
92.藤棚の下で目覚めしエロスかな
95.平安を乞ふる平成業平忌
98.ウィンドウのマネキン灼かれおり裸」
101.読点の如きおむすび紅葉狩り
104.カリオンの音で冬知る有楽町
107.
喪の報せ傍(かた)へに置きて日向ぼこ

22年

108.妻の字の毒の薫りの屠蘇の酔
111.
いまさらの懺悔おろおろうすごほり
114.ひとり居の具体のほどや花疲れ
117.修験僧蛇滝琵琶滝小天狗も
120.ぼうふらやひがないちにちやりすごす

109.民宿の一家総出のちゃんちゃんこ
112.石鹸玉思いを遂げて弾けおり
115.春燈や猛る黒猫睥睨す
118.興ざめしごとく昼顔萎れおり
121.ひとり湯のひとり着ている浴衣かな

110.独酌や我にもひそと春来るか
113.青踏や遊びし友の死をいかり
116.年金や鮎の塩焼き徳利酒
119.ハイウェイ無惨や夏野ぶった切る
122.蛸干せばそこに風来る人の知恵

優勝
殊勲賞
敢闘賞

10.諏訪病棟看護婦の背に山眠る
14.豆腐屋の湯気薄らぎて春隣
31.万策も尽きて大の字秋高し
33.鼻ピアス長き願いの酉の市
34.老女あり焼鳥焼酎軽き嘘
43.煙草吸喫う喪服女に亀鳴けり
49.肩口に龍睨みおる夜店かな
56.団栗や本郷菊坂下駄の音

11.大年や羊羹の端というところ
15.少年に秘密基地あり猫の恋
29.昼の月若き巡査の大あくび
61.ふと開く虚子の季寄せや女正月
107.喪の報せ傍(かた)へに置きて日向ぼこ

23.冷酒や枯れ木に花が咲く不思議
39.春一番都大路の放屁かな
47.生産を為さぬ男と青田往く
50.巡礼の水浴びる河屍あり
51.向日葵や少年の肌変わりゆく
78.新米やいま故郷に在るこころ


17年

7.プラットホーム夕日を見ればさとの秋
10.過ぎし日を懐抱き山眠る

8.思い出も焚き火とともに消えた夜
11.賑わいて最後の値引き大晦日

9.明日笑う力受け取る日向ぼこ

18年

12.ATM止まって気付く三が日
15.明日の空晴れか曇りか猫の恋
18.
ふわふわり何処へいざなうねこやなぎ
21.銀の道夜遊びの跡なめくじら
24.雷雨やみワイパーの向こう虹の橋
27.黙祷の球児が告げる終戦日
30.見る夢も二本立てなり長夜かな
33.犬はねるフワフワじゅうたん落ち葉道

13.冬の灯は温かさあり道急ぐ
16.揺れるのは恋してるから半仙戯
19.手の中に チョウ捕らえては 解き放ち
22.サンダルのネイルがピカリ衣更え
25.扇子手に開けばそこに涼があり
28.草むらでリンリンリンと運動会
31.
*************
34.焼き鳥や頬を突く串いまいまし

14.天気図のマイナス消えて春隣
17.トレンチコートめくって優し春の風
20.こころ晴れ直後に曇る五月かな
23.指先で味わうやよし冷やし酒
26.お土産は水羊羹だねばあちゃんち
29.走っても追っかけてくるお月さん
32.
*************
35.冬日向ただいるだけの幸福感

19年

36.スーパーに一日遅れ初若菜
39.おぼろ月雨やもしれぬ覚悟せり
42.思い出とともに現る桜かな
45.紫陽花や変幻自在夜に浮かぶ
48.
ふと見れば先頭におり蟻の道
51.*************
54.*************
57.交差点指かぢかんで冬仕度

37.福よ来い試してみよか恵方巻
40.
鶯や宇宙のすみにじっとおり
43.みどりの日お疲れさんと空見上げ
43.*************
49.*************
52.*************
*************
58.*************

38.飛び梅やたれをか追わんこぞ今宵
41.東風に舞う花びらの下集いけり
44.夏めきて黒髪そよぐ登校路
47.
*************
50.*************
53.芋天は皿いっぱいの母の愛
56.*************
59.ポケットに入れてあげたし竈猫

20年

60.そこここに太陽が落ち福寿草
63.雪どけの水に浸れる心地よさ(参考句)
66.蹴まり消え残像ありし紫木蓮
69.儚くも生き抜く友よ桜桃忌
72.
*************
75.二十四時かくれんぼする残暑かな
78.天の国新米包む黄金色
81.
*************

61.独楽のごと回らずとも来る日曜日
64.
*************
67.晴れ晴れと足音響き遠足路
70.競い馬日曜の午後サイレンス
73.かつて棘いま癒されし海月かな
76.混沌の鼻くすぐりて猫じゃらし
79.銀杏や都会に落つる宝石や
82.チィくしゃみ人気あるねと顧みる

62.*************
65.*************
68.てくてくてくそれだけでいい春の昼
71.
*************
74.大好きな人思いつつ飲むビール(参考句)
77.
*************
80.*************
83.背に光ごろんと寝転ぶ年忘れ

21年

84.高く投げ手鞠は空(くう)を遊泳す
87.寝息にてほろ苦くなる蕗の薹
90.歩をゆるめ銀座四つ角風光る
93.素足にて洗面に立つ薄暑かな
96.両脇になないろアーチ噴水路
99.蜩や闘い終えて声やわぐ
102.*************
105.まったりと湯豆腐が舞うプロポーズ

85.舗装路に落つ赤黄いろ寒椿
88.わたしにも幻想が舞い春の雪
91.夏近し半袖シャツのやわらかさ
94.窓のそと守宮の腹に血のかよふ
97.不惑まえ知恵をリュックにいざ登山
100.
*************
103.まるくない個性成熟ルレクチェ
106.まったりと湯豆腐が舞うプロポーズ

86.鮫に会うそこにあるのはルミノール
89.
膝小僧すり傷染まる蓬色
92.藤の花ふわり飛び乗る恋愛運
95.さくらんぼ日米気質食べ比べ
98.涼しさと夜のコンビニデートかな
101.*************
104.舞い降りし落ち葉すずめに変身す
107.多忙寝坊しびれを切らす師走かな

22年

108.光差す筆ペン持ち出し書初めす
111.薄氷スプーンで割るブリュレかな
114.待ちぼうけおひとりさまの花疲れ
117.滝見して真空状態蝶横切る
120.孑孑の巣くう小鼻の脂ギル

109.何を為す机に向かうちゃんちゃんこ
112.吹きすさぶ土手に潜むは土筆かな
115.春灯(はるともし)オレンジ色のさんざめく
118.昼顔のそっと浮かべる味噌汁や
121.気に入りも箪笥の肥やし浴衣かな

110.だいこんや愛情込めたら透き通る
113.初陣のグルメ焼きそば青き踏む
116.まじめ顔きらきら光る鮎一尾
119.侍の華麗なシュート夏野かな
122.血圧の低下噛み締めオクトパス

優勝
殊勲賞
敢闘賞

40.鶯や宇宙のすみにじっとおり
48.ふと見れば先頭におり蟻の道
89.膝小僧すり傷染まる蓬色


17年

7.季は巡り二人で帰る里の秋
10.天在り雲流れゆき山眠る

8.焚き火してあたたかいねと妻が言う
11.大晦日遙かなる家千鳥足

9.金無くて日向ぼこして日が暮れて
41.*************

18年

12.三ケ日呑み場閉まって行き場なし
15.ドラ猫の恋去りブラリブラブラリ
18.
昇り鯉色気離れぬ古柳
21.
蛞蝓は土より出ずる地の涙
24.稲光黄金色の花雲に咲き
27.萎みても散らぬ色艶牽牛花
30.長き夜滲んだ文字の母の文
33.袋小路溜まるな落ち葉空に舞え

13.星の子が 夢語り合う 寒燈座
16.目を瞑り(つむり)ブランコ漕いで風と添
19.蝶の舞い風が教えた自由かな
22.衣更えピンクの靴の心映え
25.半開き扇子の香り祖母偲ぶ
28.ぶった斬る!敵は腹虫武器秋刀魚
31.アンテナで蟋蟀が笑ったラジオ寄席
34.納豆に理屈はいらぬ葱芥子

14.寝過ごして海まで行こか春隣
17.俺を呼ぶ荒野の息吹紅い春
20.俳句〆薫る五月に脂汗
23.白き瓶汗を肴に冷やし酒
26.
*************
29.そよぐ風月は武蔵野独歩行
32.蒼き波凍れる朝日冬の海
35.冬日向立ち止まる風肩の上

19年

36.若菜摘む小鳥眺める老いた猫
39.春一番フレアスカート追い求め
42.孤独な死来世は桜の花に咲け
45.濡れながら紫陽花写す老絵描き
48.泣き止んだ空が照れたか赤い顔
51.向日葵は日輪にキスねだるのみ
54.
*************
57.菊折った孫を叱れず涙花

37.用もなくじろじろ見るな寒鴉
40.小さき手鶯の骸包み泣く
43.亀鳴けば膝擦りむきて子供泣く
46.裸にて菓子パンを喰ふ子供たち
49.俯いた夜店の影の意気地無し
52.なぜだろう我が家の案山子にボイン有り
55.一人旅柳生十兵衛月を斬る
58.暮早し明日待つ大地背伸びする

38.室町の香る花梅御伽酒
41.春にみる夢は桃色さめるまで
44.天丼に追加の穴子いつ喰う哉
47.風が梳く青田大地の乙女髪
50.
水浴びる子供見つめるブルドッグ
53.心無き武士(もののふ)は去れ相撲界
56.団栗をかじりて苦し餓鬼大将
59.*************

20年

60.*************
63.雪解けを待つ中東に神何処
66.蜆汁勝丼天丼上鰻重
69.欠伸して空を丸呑みにして初夏
72.見えてない蛍があそこと抱き寄せて
75.畑中で笑み溢れ出す残暑かな
78.松茸を見て嗅いで食べて自慢して
81.虎落笛裸で踊る日本人

61.独楽だって回りたくない時もある
64.野良お八つ祖母笑う背で山笑う
67.
開けた窓風と囀り文机
70.らっきょうを透かして見てみるひとり酒
73.漂える水母を見つめ海になり
76.登高や届かぬ空に溶けて居り
79
.ぎんなんだけむいてくれるのうちのひと
82.積み上げた藁を見上げて大くさめ

62.ウエストも達磨に似たり冬ごもり
65.風車回れ回れと吹く子供
68.春の昼屁を放る尻の香ばしき
71.夏木立甘めの紅茶飲んで居り
74.汗だくでつまみ作ってソリャッ!ビール
77.君がため剥いた林檎の皮厚
80.阿佐ヶ谷の北六丁目に狸あり
83.年忘れ酒に流れぬ苦き罪

21年

84.初湯にて娘の尻が丸くなり
87.尻掻けば猫も耳掻き長閑なり
90.君去りし後の空部屋風光る
93.大人だけ筍飯に目を細め
96.噴水に飛び込む子らに大志あり
99.蜩の短き婚活声高く
102.首かしげ何を迷うや赤蜻蛉
105.背を丸め独り湯豆腐蒼き息

85.空は空椿は椿俺は俺
88.子の病淡雪の中急く家路
91.夏近くすべて病原牛鳥豚
94.どくだみよ嫌われものの真面目かな
97.紅白もなく夜に咲く百日紅
100.*************
103.*************
106.背を丸め独り湯豆腐蒼き息

86.*************
89.蓬摘む婆の話をきく娘
92.揺れる風藤紫に夢控え
95.茎なくば味わい哀しさくらんぼう
98.涼むより走ってみるか上り坂
101.デカさゆえ嫌われ跳ねるかかまどうま
104.冬桜の下で煙草を吸ってみる
107.栗金団芋漉す役は親父様

22年

108.命懸け!?そんなに欲しいか福袋
111.海苔炙り醤油につけて飯に巻く
114.花疲れ寝坊の朝に休み取る
117.赤目滝命を落とした忍びの子
120.ボウフラを見る眼鋭しダメ大人

109.母が縫うちゃんちゃんこ着く初東京
112.大空を全部写して石鹸玉
115.春燈下読者する君指白く
118.新宿の昼顔見つめる夜の蝶
121.歩いた日浴衣の君と三周も

110.雪の夜母にメールの返信す
113.武蔵野の踏み切りの端青き踏む
116.。清流を食卓に呼ぶ鮎の爽(参考)
119.切り株に座り夏野の神を見る
122.蛸のよに足組む女赫い靴

優勝
殊勲賞
敢闘賞

67.開けた窓風と囀り文机

50.水浴びる子供見つめるブルドッグ

14.寝過ごして海まで行こか春隣
21.蛞蝓は土より出ずる地の涙


17年

7.里の秋酒と写真と友ひとり
10.*************

8.保育園焚き火をぐるり重なる手
11.特急の臭いを連れて大晦日

9.河川敷謡三番日向ぼこ

18年

12.白い息丹沢出ずる三が日
15.火葬場の煙り上がるもうかれ猫
18.
逢魔時柳に潜む気配かな
21.岩穿つ時の刻みよなめくぢら
24.
鉢二つしまい忘れて稲光
27.宿題の朝顔一輪咲きにけり
30.青空に沁みこむ無常木守柿
33.あたたかな落葉の山に埋もれけり

13.旅立ちの車窓に浮かぶ冬灯かな
16.ブランコハギーコラユララタイムマシン
19.一頭も採らず仕舞いのしじみ蝶
22.
山の色ひと雨ごとの更衣
25.延長戦骨となりける扇かな
28.スタートの影ゴールへと運動会
31.彫り深き電線の影秋高し
34.宮様も納豆まぜて朝餉かな

14.声おどる電話口から春隣
17.モトクロス黄色き風の春駆ける
20.草の原軽き五月の風に酔う
23.
日の高き銭湯帰りの冷し酒
26.
ちりりんと祖母の待つ家水羊羹
29.コスモスの廃線跡や人の声
32.
冬海の海藻むしる婆と婆
35.冬の日やうつらうつらの風見鶏

19年

36.春秋を死期からかぞえ注連飾
39.居残りの寒さ蹴散らし春一番
42.宙を這うつっかえ棒の老桜
45.緑さす弓道場の鳥の声
48.軒下にアマゾン見えし蟻の穴
51.鉄風鈴少し離れてひざ枕
54.流星の願い聞かざる速さかな
57.
シリウスや空の真中へ冬支度

37.瞑想は梢に構え寒鴉
40.橋高く沢や初音の澄みわたる
43.漆黒の亀鳴く声を疑わず
46.裸子や男披露の橋に立つ
49.
めん鶏にならぬ夜店のひよこかな
52.在りし日を振り返らざる案山子かな
55.日は西に答え待ちつつ月天心
58.ひだまりのはじける声や干蒲団

38.早春の光川面を跳ねにけむ
41.アルバムを巡る旅路や春の夢
44.一歳の光る産毛に夏きざす
47.荒梅雨や笑顔みやげに客来たる
50.ただひとつ打たれる果実西瓜割り
53.
山川に沁みる甚句や花相撲
56.団栗の四方にばっとなりにけり
59.炊煙や火伏の主の竈猫

20年

60.そこかしこ日向織りなす福寿草
63.雪どけのそろりそろりと通学路
66.砂抜きの無言の叫び蜆貝
69.初夏や私のペースで歩きます
72.蛍狩宙を歩いているような
75.午後三時残暑が戦車でやってくる
78.いい人も悪い奴らも今年米
81.虎落笛ちんちん電車の仁王立ち

61.つぎつぎと独楽の波紋のひろがりぬ
64.秘境駅こだまと遊ぶ日永かな
67.遠足やついてくるくる影法師
70.哀愁のなみだ姿の辣韮かな
73.
湧水のたらいを泳ぐトマトかな
76.猫じゃらしポストに差して帰ります
79.青空のへそをつんつん秋深し
82.逆光のヘッドライトに雪女

62.築百年大手をふって隙間風
65.春愁や真白き空の月曜日
68.
春昼や踏切り渡る親子牛
71.山頂の航跡静か夏木立
74.ビヤホールピルゼンならばオルゴール
77.はじまりは林檎の芯の彼方か
80.待ち疲れ水飴になる七五三
83.頑張ってきたじゃないか古暦

21年

84.てん手鞠一番星がもう見えて
87.
長閑さや船頭一人客ひとり
90.どの子らもはだしの雀隠れかな
93.
薄暑めくくるぶし程の川遊び
96.噴水に飛び込む子らに大志あり
99.
かなかなと緩やかな坂下ろかな
102.道なりの空はまっすぐ草の花
105.白鳥の飛び立つ遊びけんけんぱ

85.寒椿今際のきわのありがとう
88.ピリオドが初めにありき蝌蚪の池
91.狩野派の霞む都の人となる
94.どくだみや黒塀越しの白十字
97.触れられて触れてぽっと百日紅
100.
牛乳の二本並んで台風過
103.睨まれし仁王の口へ唐辛子
106.白鳥の飛び立つ遊びけんけんぱ

86.終わりなき身内自慢に鱶放つ
89.
三月の鉄橋渡るいざ東京
92.鯉のぼり西の空には爆撃機
95.茎なくば味わい哀しさくらんぼう
98.涼しさや直角交わる黄鉄鉱
101.一枚の紅葉の語るエアメール
104.白障子静かに本音誘いけり
107.暖冬のふくらむ空や飛行船

22年

108.御降りや白きしじまとなりにける
111.薄氷や季節の終点折り返す
114.酒上々人に戯れ花疲れ
117.青空や滝を掬ってごくごくと
120.ぼうふらの天動説や手水鉢

109.鮟鱇の口の彼方に大落暉
112.オーロラの静かに動く石鹸玉
115.窓越しの柔らかな影春燈
118.昼顔の開く広っぱ昼ご飯
121.糊香る四角四面の浴衣かな

110.かんじきや便り届けてくれる人
113.二拍子の光燦々青き踏む
116.
一筋の川の記憶や鮎の地図
119.雲すすす夏野のへりをすべりけり
122.海底の千手観音蛸踊り

優勝
殊勲賞
敢闘賞

73.湧水のたらいを泳ぐトマトかな
87.長閑さや船頭一人客ひとり
99.かなかなと緩やかな坂下ろかな
109.鮟鱇の口の彼方に大落暉
116.一筋の川の記憶や鮎の地図
119.雲すすす夏野のへりをすべりけり

18.逢魔時柳に潜む気配かな
23.日の高き銭湯帰りの冷し酒
24.鉢二つしまい忘れて稲光
32.冬海の海藻むしる婆と婆
49.めん鶏にならぬ夜店のひよこかな
53.山川に沁みる甚句や花相撲
89.三月の鉄橋渡るいざ東京
121.糊香る四角四面の浴衣かな

22.山の色ひと雨ごとの更衣
26.ちりりんと祖母の待つ家水羊羹
38.早春の光川面を跳ねにけむ
57.シリウスや空の真中へ冬支度
93.薄暑めくくるぶし程の川遊び
100.牛乳の二本並んで台風過

103.睨まれし仁王の口へ唐辛子


18年


15.猫の恋ピアノの中を踊りけり
18.糸柳衣あらたに舞にけり
21.
流し目を残し葉裏へなめくじり
24.這い松と添い寝し濡るる激雷雨
27. 朝顔や青春の青脆き青
30.古屋敷渋とく落ちぬ熟し柿
33.子守唄幾たび聴きて落葉かな


16.夕餉どき風ぶらんこの絵本撫で
19.逆光に舞ふや道行き蝶二匹
22.富士仰ぐ嫗の笑みや更衣
25.談志さえ扇子を前にお辞儀せり
28.
しみじみと百年喰らふ秋刀魚かな
31.
秋高し棒高跳びの足の裏
34.焼鳥や通り行き交ふ隠し味

14.春近し雀ら黙と採餌せり
17.
小三治の口調の張りに春一つ
20.剣崎波涛の果ての五月かな
23.昼一人冷酒に映るあやにしき
26.和してなほ座敷に一つ水羊羹
29.残月や忘れし恋のあぶり出し
32.浦島の如き夢見し帰り花
35.
老松の腰抱きたる冬日かな

19年

36.朝日浴び若菜色艶増しにけり
39.朧夜のジンに溶け入るコルトレーン
42.宴おほふ桜しらじら寝ひりけり
45.
新緑やただ静謐の古代杉
48.蟻の列ときに見合ってレッツキス
51.
風鈴の旧家更地になりにけり
54.スケッチのレモン一隅照らしたり
57.やせ枝に卵塊白く冬支度

37.恵方道探しあぐねて神頼み
40.尾根の風舞い連れ初音まず一献
43.鶴まねて首高く立て亀鳴けり
46.湯けむりのヴェールありての裸身かな
49.壺底の梅干しじわり不死孕む
52.厭離穢土酒深き身に蚯蚓鳴く
55.新蕎麦や杯干してなほ老棟梁
58.暮早し赤提灯の一つ見ゆ

38.白梅やゴッホ魅倒す誇りかな
41.ひたぶるに競ふ駿馬や春の夢
44.夏めくやうなじの白き軽やかさ
47.寅さんの雪駄去りゆく青田道
50.はやす声迷ひて一歩西瓜割り
53.芋喰えば芋喰わぬ犬笑ひ
56.団栗の軒打つ音や童唄
59.八百萬の神々起こす聖夜かな

20年

60.地の球の内より笑顔福寿草
63.雪解けて白玉一つ苔に入る
66.宍道湖の入り日一会の蜆かな
69.をみなごの笑み誘ひて初夏の風
72.嵯峨野暮れ光は見しや老ひ蛍
75.いちじくの秘めし花心や石地蔵
78.新米は斯く炊くべしと古女房
81.落武者に六甲おろしや虎落笛

61.無我なれば独楽ぞ銀河ぞ回りけり
64.永き日や妻呼ぶもなほ土遊び
67.囀りのフーガ街路樹舞台なり
70.新らっきょう桃屋の瓶は棚の奥
73.ベネチアの市場トマトの山踊る
76.
サグラダの高きに登り時を観る
79.秋深し殉難の碑を老婦撫で
82.耐へに耐へ月光仮面が嚔かな

62.天と地の隙間風なりジェット気流
65.業平も独り手酌の春愁ひ
68.春昼や乳房を吸いし児となりぬ
71.横笛を習ふ児ひとり夏木立
74.蒼天の槍仰ぎ見てビールなり
77.秋雨の明くるも晴れぬ秋津島
80.永田町占拠しておる狸かな
83.昼酒の甘さ辛さや古暦

21年

84.初湯してまた盃重ね歳重ね
87.頑なにただ頑なに蕗の薹
90.風光る犬吠埼に潮香満つ
93.ほの黒き休耕田の薄暑かな
96.
闇兆す噴水はたと止みにけり
99
.雨上がりかなかなそっとなき始め
102. いつの日かまたにらめっこ赤とんぼ
105.白鳥よ我が人類は踊りけり

85.みなしごが背を向けている寒椿
88.球追ひし子らに舞ひ入る春の雪
91.夏近し空と海パステルで画く
94.
戸袋にバッハを聴きし家守居り
97.この一歩一歩一歩の登山路
100.真っ青な空仰ぎみる秋彼岸
103.千年のときをおもひて十三夜
106.白鳥よ我が人類は踊りけり

86.深海に碧き鐘あり鮫そを打つ
89.三月の雨に移ろふ古木かな
92.
暮れてなほゆれる想ひや藤あかり
95.あと二つ一つは君のさくらんぼ
98.見納めの歌舞伎座出でて灼くる街
101.富士迫る山路に座して初紅葉
104.小春日や老ひし二人の青き空
107.裏通りバンドネオンや年の暮

22年

108.初明り雀らの影飛び去りぬ
111.ひとひらのうすらい揺れし午後の湖
114.花疲れ座布団まくら暮れて雨
117.滝しぶき岩掴む我が手を打ちぬ
120.ぼうふらやスカイツリーを見上ぐ顔

109.鮟鱇が形見の品ぞ鍋と肝
112.しゃぼん玉追われて追ひて青き空
115.峠越え春の灯ひとつ二つ三つ
118.
昼顔や朽ちゆく塀に薄化粧
121.初浴衣馴染み暮れゆく池之端

110.冬の梅そっと家路に灯りけり
113.
青き踏む秩父連山塩むすび
116.鮎の香や巡りし時をただ惜しみ
119. 若駿馬駆け戯れり夏野原
122.浜棚に干されし蛸や波踊る

優勝
殊勲賞
敢闘賞

92.暮れてなほゆれる想ひや藤あかり
94.戸袋にバッハを聴きし家守居り
96.闇兆す噴水はたと止みにけり
118.昼顔や朽ちゆく塀に薄化粧
113.青き踏む秩父連山塩むすび

17.小三治の口調の張りに春一つ
21.流し目を残し葉裏へなめくじ
35.老松の腰抱きたる冬日かな
45.新緑やただ静謐の古代杉
76.サグラダの高きに登り時を観る
99.雨上がりかなかなそっとなき始め

28.しみじみと百年喰らふ秋刀魚かな
31.秋高し棒高跳びの足の裏
51.風鈴の旧家更地になりにけり


18年


15.ひとり居て新聞読む夜猫の春
18.
*************
21.夕暮れや鉢底白しなめくじら
24.*************
27.敗戦日そを知る父逝き三年(みとせ)過ぎ
30.ポーを手に猫と寝そべる夜長かな
33.闇の奥裸電球酉の市


16.何処より『白いブランコ』我が青春
19.
尾根の風うけて蝶なほ留まれり
22.衣更え箱より古き子の上着
25.
幼子のひろげあぐねし扇子かな
28.ただいまの声を合図に秋刀魚焼く
31.枕辺にちちろ虫鳴く声響く
34.日曜の朝ゆっくりと納豆食ふ

14.掘り返す畑の黒土春近し
17.春の夕旅立つ息子の荷を送る
20.竹林に波寄せ五月の風過ぐる
23.
*************
26.枝を切るはさみを置きて水ようかん
29.
秋桜が頷き返す独り言
32.江ノ電の車窓に光る冬の海
35.冬日向天空の月長き影

19年

36.孫を待ち老女の門に注連飾り
39.千鳥足ビルの狭間のおぼろ月
42.
大仏や桜吹雪の中に居り
45.降りて尚紫陽花コップで七変化
48.夕焼けや杖つく老爺の散歩道
51.
*************
54.流星を浴びて登りぬ富士の山
57.*************

37.*************
40.うぐいすの稽古始めはカ行から
43.*************
46.湯上がりや父のビールと子のソーダ
49.発電器音高らかに夜店かな
52.*************
55.月もまた共に急げり家路かな
58.*************

38.梅を背にガッツポーズの十五歳
41.強東風や横切る猫の歩を止めぬ
44.
夏めきて無灯の夕餉日曜日
47.ふりむけば青田横切り列車行く
50.*************
53.焼き芋の声だんだんと近づけり
56.
実を踏みて団栗の木のあるを知る
59.子の寝るを待ちえ夜更けぬクリスマス

20年

60.福寿草可も不可もなき日曜日
63.
*************
66.十八の黒猫逝かむ風車
69.鴎外についでに線香桜桃忌
72.誘われて足元濡らす蛍狩り
75.無花果を割れば中より赤き花
78.新米やそっとほっこり椀に盛る
81.朝夕に虎落笛聴く旅の宿

61.*************
64.永日や遠回りして帰ろかな
67.
*************
70.ゆり科なる辣韮の実の花知らず
73.朝採りしトマトのまとう陽の光
76.
*************
79.深秋やくぬぎ並木の影重し
82.*************

62.カーテンのはらみて気づくすきま風
65.十八の黒猫逝かむ風車
68.去年逝くき叔母の湯飲みに新茶注ぐ
71.夏木立抜けて見上げし浅間かな
74.炎天を歩みて「異邦人」と化す
77.本を手に熱き紅茶と焼きリンゴ
80.うす暗き社に子の声七五三
83.古暦燃えて煙となりにけり

21年

84.天窓の光り一筋初湯かな
87.蕗のとう採りて出会いし道祖神
90.風光や乳母車の子の目の覚めぬ
93.家人待ち筍飯を炊く夕べ
96.噴水や下がりて現る博物館
99.阿波踊り鼻緒は痛いし腕重し
102.夕暮れや路傍に咲きし草の花
105.小春日や干したふとんに猫と寝る

85.受験生見送る朝や寒椿
88.滑りゆくフロントガラスの春の雪
91.跳び乗りしサドルの熱さ夏近し
94.どくだみや太宰が逝きし川の土手
97.点々と灯連ね富士登山
100.真っ青な空仰ぎみる秋彼岸
103.老犬の濡れて動かず秋の庭
106.湯豆腐のふっと音せり一人部屋

86.捕らわれて板に白き終の鮫
89.粗母を真似町の空き地で蓬摘む
92.藤の花あおぐかなたに五重の塔
95.
どの子にも同じ数だけさくらんぼ
98.涼風や一日(ひとひ)の仕事終えにけり
101.富士迫る山路に座して初紅葉
104.落ち葉掃く音響きおり朝の道
107.幸いを記す日ねがい日記買う

22年

108.来れば憂し来ずば寂しき賀状かな
111.海苔採りの腰を伸ばして仰ぐ空
114.花疲れ寝た子をいだき帰路につく
117.奥多摩の雨中一気に滝登る
120.かくれんぼ防火用水に孑孑

109.気が付けばいよいよ赤きちゃんちゃんこ
112.大道芸人のシャボン玉長し
115.春燈の数と等しきその暮らし
118.*************
121. ネット見て浴衣着付けし現代っ子

110.野水仙群れて咲きたり伊豆の海
113.我が歩む曲がりし道や青き踏む
116.湖の水面動かず鮎を食ふ
119.放牧の子牛の声や夏野ゆく
122.蛸捕りや竹富島の浜の闇

優勝
殊勲賞
敢闘賞

26.枝を切るはさみを置きて水ようかん
42.大仏や桜吹雪の中に居り
84.天窓の光り一筋初湯かな

19.尾根の風うけて蝶なほ留まれり
25.幼子のひろげあぐねし扇子かな

29.秋桜が頷き返す独り言3
38.梅を背にガッツポーズの十五歳
44.夏めきて無灯の夕餉日曜日
56.実を踏みて団栗の木のあるを知る
95.どの子にも同じ数だけさくらんぼ


18年


15.猫の恋たいした話もないくせに
18.君が待つ乱れ柳の川向こう
21.諍いし友よ吾もまたなめくじり
24.雷明ける 道玄坂に虹戻る
27.元気だと返信見ている終戦日
30.あさき夢覚めて黄昏柿光る
33.つつがなし落ち葉を蹴って歩く母


16.ほろ酔いて夜のぶらんこ笑う月
19.色を捨てはしゃぐ四十路の紋白蝶
22.衣更えほくろのふたつ並ぶ腕
25.
ばあちゃんの折れた扇子のセロテープ
28.歓声に振り向く母校の運動会
31.安眠は昭和の畳ちちろ虫
34.
焼鳥屋連れ無き夜は煙見て

14.小走りであなたのとなり春隣
17.飛ぶ鳥の ゆくえ眩しき 春の午後
20.真っ白のスニーカーなぞ買う五月
23.冷酒や琉球硝子に滲む夜
26.黒文字の不器用笑い水羊羹
29.秋桜生きてゆけるよ紙吹雪
32.
泣くまいぞ美しくもなし帰り花
35.夜に逢う悲しみ気付く冬日向

19年

36.初若菜いのち一色召し上がれ
39.一つ嘘よかれよかれと朧月
42.
灯り無き外れ桜の白く散る
45.紫陽花を挿したる備前濡れ光り
48.夕焼けを浴びて悲しき人となる
51.向日葵の燃え尽きし庭父の家
54.流星を吾だけが見る向き合いて
57.野良人の手折りし菊の束抱く

37.銀の空ぼさまじょんがら寒烏
40.ひな祭り知らぬ大人になりにけり
43.古き友待ち合わせの二時みどりの日
46.
巌なる裸の背中大太鼓
49.梅干の上出来友は妻となり
52.智もいらぬオズにも会わぬ案山子なり
55.祈りても月の小さき今宵なり
58.難解な芝居の帰り暮早し

38.暖放つ梅の香満ちる四畳半
41.強東風や道を聞かれて腕ほどく
44.夏兆すインド綿着て自由なり
47.梅雨の夜の微熱に溶ける肌と闇
50.水浴びて三線の音隣家より
53.
初芋の竹串通りさてと言い
56.どんぐりや一匹五個と千個生る
59.
教会の降誕祭の静かなり

20年

60.福寿草小さきものの確かなり
63.雪解けや餌台白くパンを盛る
66
.紫木蓮老女の帯の型崩れ
69.手向け花一心不乱に初夏の雨
72.金魚鉢軽き命の花活ける
75.秋暑し果たせぬことの二つ三つ
78.新米や善なる人の腹力
81.虎落笛だれが悪いと泣く女

61.*************
64.立ち話商店街の日永かな
67.わがこひを囀りごとく聞くや君
70.辣韮や五百漬けよか一キロか7
3.正円に満ちしトマトや研ぎ包丁
76.
ねこじゃらしマミちゃんどうしているだろな
79.わたくしに幸あるごとく銀杏降る
82.
雪女郎最後に捨てし紅の色


62.居酒屋のあと一人待つ隙間風
65.
かざぐるま壊れて紅き花となり
68.幾重なる包みや去年の新茶なり
71.脛堅きランナーの夏夏木立
74.ニッポンのビールに戻る二〇〇八
77.病室の林檎の赤のくすみゆく
80.七五三神の子供の肌白し
83.来週を来年と言い古暦

21年

84.たんたんと生きるは難し手毬唄
87.蕗の薹一番小さな鉢に盛り
90.たましひを拾いて雀隠れかな
93.夕薄暑濃く細くひくアイライン
96.噴水の今静まりて告ぐ一つ
99.蜩や鳴けば残照留まりぬ
102.短命の赤蜻蛉なり軽く飛ぶ
105.白鳥や死に落ちて羽根乱れ舞う

85.泣く時はひとりと決めて寒椿
88.俳人の指に流れて春の雪
91.殻固き身のとまどひて夏近し
94.
毒だみや痩身の人凜と座す
97.その紅に血は流れまいさるすべり
100.咲き残る青き朝顔摘み取りぬ
103.吾亦紅泣きたいことなど無いごとく
106.白鳥や死に落ちて羽根乱れ舞う

86.例えれば鮫抱くような恋であり
89.三月の涙目の訳いろいろと
92.藤の枝のたうちて花慈悲の色
95.
対なるはそっと洗ひてさくらんぼ
98.灼くる道罪無き人もうつむきて
101.紅葉見ゆ赤き衣を着ず半
104.一時の目利きとなりて蜜柑買う
107.底冷えや案ずることなし君逝きて

22年

108.車窓から一瞬の冨士初仕事
111.荒岩の海苔方形に静まりぬ
114.
花疲れ夜半に目覚めて風を聞く
117.読経の止みて千歳の滝の音
120.ぼうふらの大志聞きおり古バケツ

109.鮟鱇や闇喰ひてなお満たされず
112.構築の美の最小の土筆立つ
115.
表札は亡き人のまま春燈し
118.褪せし紅昼顔ぽかんと泣き疲れ
121.嫁きおくれ浴衣の襟を固く着て

110.モノクロの世界の破綻紅き梅
113.ワルツ鳴り一足一杖青き踏む
116.その川に鮎住むと言ふ君が郷
119.背徳の恋に走れば夏野なり
122.捕われし蛸や漁師の手にすがる

優勝
殊勲賞
敢闘賞

46.巌なる裸の背中大太鼓
53.初芋の竹串通りさてと言い
60.福寿草小さきものの確かなり
86.例えれば鮫抱くような恋であり
95.対なるはそっと洗ひてさくらんぼ
108.車窓から一瞬の冨士初仕事
115.表札は亡き人のまま春燈し

34.焼鳥屋連れ無き夜は煙見て
42.灯り無き外れ桜の白く散る
60.福寿草小さきものの確かなり
66.紫木蓮老女の帯の型崩れ
76.ねこじゃらしマミちゃんどうしているだろな
83.たんたんと生きるは難し手毬唄
117.読経の止みて千歳の滝の音

25.ばあちゃんの折れた扇子のセロテープ
32.泣くまいぞ美しくもなし帰り花
59.教会の降誕祭の静かなり
65.かざぐるま壊れて紅き花となり
82.雪女郎最後に捨てし紅の色
94.毒だみや痩身の人凜と座す
114.花疲れ夜半に目覚めて風を聞く
120.ぼうふらの大志聞きおり古バケツ


18年


18.翔ける声風吹く柳裸足の子
21.飲み屋前蛞蝓渇き雨を待つ
24.雨の香雷の音響き滲む肌
27.空見上げ強く伸びゆく朝顔や
30.カウンター虹色模様長き夜
33.頬つたう風が奏でる落ち葉道


19.舞う蝶や瞬き一つ空に消え
22.誘う手を彼どうするや衣更
25.舞う扇色香漂う白美人
28.一人酒煙上がりて焦げ秋刀魚
31.とめどなく飲み空見揚げ天高し
34.一パック混ぜる納豆味気なく

17.白き春背に手を振られ一人旅
20.五月雲時乗せ過ぎし胸傷む
23.ちびちびと冷酒飲む父日の終わり
26.水羊羹舐める唇里の味
29.空近く顔覗かせる丸き月
32.見上げる都孤独も見せず狂い花
35.去るスター冬日も照らす花道や

19年

36.今日も飲み過ぎたときづき食う若菜
39.春一番のこるる君の笑顔きえ
42.散歩酒あてはなくとも桜あり
45.
新緑や学問の坂登りゆき
48.提灯の路地の夕焼け沈まずに
51.
絵日記に大きなひまわり一つ描き
54.若き者檸檬片手に何想う
57.棺の中黄色き菊も白く見え

37.寒鴉一瞥くれて影追ゆる
40.変われども雛見上ぐ顔変わりなき
43.背表紙をなぞって耽るみどりの日
46.注文はバーボンソーダと浪の音
49.夢の中何処にも行かず夜店人
52.山子おり恐き爺さん話しかけ
55.道しるべ寒き夜の月ビルに消え
58.
短日や西に一吠え野良の犬

38.浅き春白き模様を描く山
41.時計の音どこ行く風や春の夢
44.店じまい夏めく空はもう青く
47.下校路青田にならえ一直線
50.水浴びや僕をすくえた小さな手
53.芋に塩ナイター中継父の場所
56.薄き光夜なべ夫人の顔白き
59.
*************

20年

60.福笑い笑い声散りおかめ笑み
63.雪解けや自転車せがむ悪なき目
66.春かなし筆止まり置き汽車進む
69.
*************
72.寝苦しい夜の散歩に蛍おり
75.旅先の遅いバス待つ残暑かな
78.ダンボール届く新米重たくて素松
81.寒稽古膨らむ胸の清らかさ

61.*************
64.初めてのバス通学に山笑う
67.
*************
70.ただ速くただ進みゆく競い馬
73.駆け去りし汗をながす子トマト哉
76.
*************
79.
秋深し百一編のすいません
82.何処にいる嚔してみて母を待つ

62.飲み明かし赤ら顔うつ隙間風
65.春かなし筆止まり置き汽車進む
68.昨晩は煙の如く春の昼
71.夏木立二人静かに小休止
74.招く父冷えぬビールに母慌て
77.
*************
80.アルバムのぼやけた写真七五三
83.年忘れ今年は二人飲み語り

21年

84.熱すぎるくらいがいいか初湯哉
87..
*************
90.風光るレースのカーテン顔なでて
93..*************
96.噴水の下で生まれる物語
99.廃校に光を灯す踊り子哉
102.昼の道よろけた足下草の花
105.湯豆腐や土鍋に昆布あとは酒

85.獅子舞や派手なロッカー夜叫ぶ
88.春の雪傘もささずに歩く道
91.祖母の家霞深々登り道
94.庭の隅どくだみの群根は深く
97.百日紅見慣れた筈の通い道
100.
帰り道月までの距離短くて
103.酔っぱらい肩に銀杏を連れてきて
106.湯豆腐や土鍋に昆布あとは酒

86.サメの皮煮て食う父の顔覗き素松
89.三月の顔を変え行く通勤路
92.江戸に立ち幟見つめる田舎者
95.
サクランボ灰皿に種一つあり
98.ひっそりと灼ける墓前で親子酒
101.濃いお茶と紅葉の朱見て小休止
104.白い息灯りのもとへ帰る
107.焼鳥屋のぼる煙に鼻をあて

22年

108.お正月街の香りも薄まりて
111.薄氷踏まれぬうちに消えていき
114.花疲れ座席一列皆お辞儀
117.滝落ちて不動の如き流れあり
120.じめじめとぼうふら生きる庭のすみ

109.鮟鱇や深海の未知表す身
112.*************
115.春燈やほころぶ街の淡い色(参考)
118.昼顔や目覚ましもなく朝寝坊
121.母と姉浴衣広げて笑顔咲く

110.の夜や躍る心で酒を飲む
113.踏青や夜の酒場の一場面
116.鮎食べて田舎の川に帰ろかな
119.夏野に寝土の匂いと草の音
122.晩のあて父長々と蛸を食む

優勝
殊勲賞
敢闘賞

51.絵日記に大きなひまわり一つ描き

79.秋深し百一編のすいません
95.サクランボ灰皿に種一つあり
100.帰り道月までの距離短くて

45.新緑や学問の坂登りゆき
58.短日や西に一吠え野良の犬


18年

18.練絹に見返り柳時は逝く
21.なめくじら似合うか否か銀の道
24.雷雨抜け輝る畦道颯爽
27.団塊の終戦記念日ちぎれ雲
30.柿茜夕映え鴉又明日
33.人波を掻き寄せ囃し酉の市

19.蝶を追い 砂山くずし昆虫記
22.和更紗の三味の音絡め衣更
25.舞扇返す白腕赤く染め
28.よういドン蒼空駈ける運動会
31.天高し澄み渉るほど我は何
34.納豆を捏ね回す手に猫招き

20.江戸気質鎌輪奴紋衣五月晴れ
23夢夢し冷酒に澄みし君なれば
26.水羊羹小指も舐めてもう仕舞い
29.秋桜やあなたの山野嶺紅く
32.吾子の頬雪虫舞うや冬の海
35.裾寒し甘酒啜る除夜の鐘

19年

36.乙女薫く輪飾り燃ゆる焦がれおり
39.
仕舞湯や窓に描かるる朧月
42.頬染むる桜埋みし野の地蔵
45.紫陽花や喪裾に散りぬ里帰り
48.夕焼けや戊辰の戦跡蒼し
51.蒼空に向日葵を仰ぐ童衆の瞳(わらしのめ)
54.私家版にレモンをのせて目を瞑り
57.一木にも薦巻く暖の冬支度

37.恵方巻頬張る娘嫁ぐ朝
40.背をまろく繕う雛の母は今
43.みどりの日けやき並木の朝が谷
46.迎え酒裸の街や暮れ泥む
49.太鼓橋越して向うに夜店の灯
52.蚯蚓鳴く夜深けの風の又三郎
55.月に吠え我が存在を闇に聞く
58.
干蒲団乗れば大の字雲の上

38.雨風に散るや白梅溜まり
41.春の夢見るや木の下隠ん坊
44.頭垂る脱落の命夏兆す
47.ゆれるバス見渡す青田心ゆく
50.糸魚川水浴び足の五指を梳く
53.芋幹を煮付ける母の背を抱き
56.夜業して湯煙り相手に酒を酌む
59.七曲がり聖夜に浮かぶ天主堂

20年

60.福寿草神籤を結び手を合わせ
63.受験生母を添わせず一人往け
66.京の宵木蓮の背にフルムーン
69.桜桃忌紫橋にふたつ影
72.
客引けて喪服の帯にひめほたる
75.子は遊ぶ父は宿題残暑かな
78.
上越や松茸の湯気絹の雲
81.遠来の汽笛の鳴きと虎落笛

61.武士の維新の三傑独楽の舞
64.青空に夕陽重なる日永哉
67.遠足日得意顔の照る坊主
70.常勝を請われ叩かれ競べ馬
73.碧海に透けて漂ふ海月かな
76.猫じゃらし項に落とす背を反らす
79.秋深し落草の丘ポチ駆けり
82.雪女耳元に吹く熱吐息

62.薪割りて戸隠山に冬籠もる
65.恐山啜り泣くよな風車
68.新茶葉を摘むや乙女のお初恋
71.夏木立ミストに秘すキスの味
74.麦酒泡付けて踊るやチャップリン
77.秋雨か響き枕に荒地の恋
80.解帯の愛娘連れ往く黒門町
83.昼酒や猫紙袋年忘れ

21年

84.*************
87.のどかさや旅の日記の白ページ
90.
連子窓影絵のきみの風光る
93.薄暑の日断頭看取るロンドン搭
96.河童忌や河岸見世炎上地獄変
99.ひぐらしの声眠りなむ妹を負い
102.名もしらぬこともなき世や草の花
105.白鳥やレダ交情の果てはエロス

85.寒椿三十郎が袈裟に斬る
88.春の雪童衆の頬に降りかかる
91.
*************
94.
一番湯守宮の影に紅い空
97.茜さす子守りの背なに百日紅
100.八重山や一筋の道花野かな
10.星月夜隧道をゆく海の音
106.白鳥やレダ交情の果てはエロス

86.懐手からころ下駄で石をけり
89.三月のお堂に衆藾残響の
92.
山寺や幟の下の苔の塚
95.*************
98.コルトレン至上の愛の夜は涼
101.跳び越えし水際たまりに一紅葉
104.甲斐の峰空瀧々と秋の蝶
107.冬帝や心の水を汲んでみる

22年

108.四方拝浄瑠璃の音や北参道
111.薄氷にトンと指突く初デー
114.花疲れ浪士自刃の孤影かな
117.滝風を味方に付けし鳥が舞う
120.孑孑や殺生惑う春泥尼

109.母いずこ米粒引っ付くちゃんちゃんこ
112.しゃほん玉追う俘慮の子や紅ほっぺ
115.春燈や剃刀に映す眼球の傷
118.ひるがおやげんじをしらずちりぬるを
121.藍浴衣介護疲れて窓に雨

110.山峡の雪明かりゆく初湯治
113.三鬼忌や官能を飲み虚無を吐け
116.鮎食らう臓腑の苦さや甘き恋
119.二人乗り亡き人と廻る夏野かな
122.蛸チゴイネルワイゼンにぬめり

優勝
殊勲賞
敢闘賞

39.仕舞湯や窓に描かるる朧月

58.干蒲団乗れば大の字雲の上
92.山寺や幟の下の苔の塚

72.客引けて喪服の帯にひめほたる
78.上越や松茸の湯気絹の雲
90.連子窓影絵のきみの風光る


18年

21.生業は一筆書き也なめくじら
24.
雷になほ寄り添いて道祖神
27.朝顔の裾絵に誘う下駄の音
30.赤肌の笠にもならじ柿の蔕(へた)
33.落ち葉さえ吹き溜まりてや集いたり

22.つり革に艶袖ゆれて衣更
25.扇子風頬にソヨソヨひざ枕
28.餓鬼御嬢親も紅白運動会
31.
*************
34.焼き鳥で飲む煩悩や串三本

23.ひと肌の慕情を絶ちて冷の酒
26.わが庵はバターの脇也水羊羹
29.君を乗せ秋桜の道疾走中
32.曇る窓拭いて見えし冬の海
35.背に冬日粘土と語らい轆轤引き

19年

36.我もまた御役御免をまつ飾り
39.だしぬけに胸泡立たちて春一番
42.別離なり門出なりとて桜酒
45.雨にじむ路上のオイル夜アジサイ
48.
夕焼けを背負いた悪女影長し
51.軒に棲む魂魄騒ぎ闇風鈴
54.俎板の真二つ檸檬に口すぼみ
57.支えられ弄(イジ)くられして菊一生

37.本日はへそも女房も恵方向き
40.酢の香立つちらしに集う雛祭り
43.
薄茶点て山の端飲む哉みどりの日
46.羨望の唇盗むソーダ水
49.焼け醤油に捕獲されたり夜店人
52.美影追う夜目衰えて蚯蚓鳴く
55.空仰ぎ今届きたる月光を飲む
58.富士も澄む浅黄の空や蒲団干し

38.禿頭に棘刺す風や春早し
41.
朝東風を真二つに裂き併せ馬
44.古伊万里の皿に余りて焼き穴子
47.青田越ゆ送電線や柏崎
50.
水浴びて駿馬の瞳和みたり
53.腰伸ばし老母は芋を煮しめたり
56.素手に抱くどんぐり伝ふ樹の暦
59.*************

20年

60.貧村のモノクロ割りて福寿草
63.道端に泥の地蔵や雪解道
66.花咲きて木蓮の樹の在るを知り
69.空澄みて日高の初夏に親子馬(参考句)
72.老いし目を闇に瞠りて蛍狩り
75.墓洗う水も湯になる残暑かな
78.御仏供飯新米の朝光り立つ
81.夜具のなか指絡ませし虎落笛
84.名勝のグラビア広げ初湯入る

61.エステにて独り笑いの女正月
64.ゆるゆると黄昏歩む日永人
67.遠足の背で歪みたり握り飯
70.二ハロンに陣風起こし競い馬
73.豊満に酸いも甘いも熟トマト
76.登高し樹々の履歴に合掌す
79.靴底の銀杏を擂りて人の波
82.雪降らぬ巣鴨に集う雪女郎

62.石鹸のふと香りたり隙間風
65.去り行きしヒールの響き春愁詩
68.君と汲む新茶で和む日曜日
71.訪ね来て夏木立なり手向山
74.餃子の焼けるを待ちて生ビール
77.紅玉と籾の香詰まる木箱開く
80
.喜寿よりも爺笑いたり七五三
83.刻まれし悔恨の時古暦

21年

84.熱すぎるくらいがいいか初湯哉
87.ゆるゆると長閑に歩む夫婦旅
90.光風に日時計の針生き返り
93.夕空へ耳傾けし薄暑風
96.顎を上げ高さを偲ぶ枯噴水
99.下駄の緒を櫓に向けし踊唄
102.馬糞香る野に大編隊の赤とんぼ
105.湯豆腐に胃の腑を焼かる知命かな

85.見せ時に上目遣いの寒椿
88.
再会の君差す傘に春の雪
91.猫の毛にそよ風あそぶ夏近し
94.硝子戸にガバと踏ん張る守宮指
97.汗もなく街に笑顔の百日紅
100.気満ち水面静かに十和田澄む
103.街灯の姿浮き立つ冬近し
106.湯豆腐に胃の腑を焼かる知命かな

86.悪しき奴死後に重宝強き鮫
89.擂り擂りて緑激しい蓬草
92.恨めしや藤が手招く化粧坂
95.桜桃を愛でる母の手皺深し
98.待ちわびてまだ暮れゆかぬ宵涼み
101.
庭染めし紅葉の朝に薄茶点つ
104.焼き芋を二つに割りて共白髪
107.切抜きし残照浮かべ柚子湯哉

22年

108.四方拝浄瑠璃の音や北参道
111.うすらいや木々も力を溜めにけり
114.桜坂我が身しだれる醍醐かな
117.奥入瀬の滝に集いし山の神
120.孑孑を知らぬ奴らの血を狙え

109.居眠りの背に暖かしちゃんちゃんこ
112.誰をかも無邪気につつむ石鹸玉
115.坂昇る花見疲れの醍醐かな
118.ひるがほに傘差しかける老婆かな
121.マゲ・ユカタ姿形はコクギかな

110.眼はかゆく鼻くすぐられ春隣
113.老いる気を爆砕せんと青き踏む
116.お似合いの塩衣着て鮎香る
119.とねっこの蹄を洗う夏野かな
122.知多の海蛸も阿弥陀の日間賀島

優勝
殊勲賞
敢闘賞

21.生業は一筆書き也なめくじら
48.夕焼けを背負いた悪女影長し
50.水浴びて駿馬の瞳和みたり
88.再会の君差す傘に春の雪

41.朝東風を真二つに裂き併せ馬
43.薄茶点て山の端飲む哉みどりの日

46.羨望の唇盗むソーダ水
60.貧村のモノクロ割りて福寿草
80.喜寿よりも爺笑いたり七五三
101.庭染めし紅葉の朝に薄茶点つ


18年


24.落雷の耳に残りし幼き日
27.しっかりと暮らすのがすきあさがおや
30.まだ若き甘柿の苦渋誰に似て
33.待てるもの待てぬものにも葉の落ちて


25.
手に扇死にゆく雄牛をじっと見る
28.夕暮れに哀しや母は秋刀魚焼く
31.ゆうゆうとバスの遅れも天高し
34.なんとなく納豆甘き休肝日

23.野草摘む今宵の冷酒楽しみに
26.稜線の風に吹かれて水羊かん
29.迎えなきコスモスの駅鳩が鳴く
32.言い訳の奥また奥の帰り花
35.踊ろうよ通り過ぎてく除夜の鐘

19年

36.水くぐる淡きみどりの初若菜
39.春一番心惑わすぬくさかな
42.夕暮れに君がもとめし桜もち
45.老い兆す新緑の海紅い花
48.ありんこはありんこなりしグラス酒
51.風鈴や若き小屋番夢の中
54.石だたみレモンころがり落ちてゆく
57.菊匂い菊散り果てし市ヶ谷か

37.満身の低空飛行冬鴉
40.雲の間にうぐいす止みて午後のお茶
43.木登りの天まで届くみどりの日
46.ソーダ水かつての妻も少女なり
49.愚痴多き祖母の逸品梅干しや
52.車窓より群れる案山子にグッドバイ
55.むら雲の月に誘われ露天風呂
58.
船宿の蒲団干されり日本海

38.朝霧に小梅一輪かすみゆく
41.今いちどこの世の契り春の夢
44.谷間の村も夏めく魚の背や
47.
梅雨寒やるすばん猫に煮干買う
50.愚痴多き祖母の逸品梅干や
53.芋を食う子らの頭上にアドバルーン
56.どんぐりや右往左往のけもの道
59.褐色のマリアに祈る降誕祭

20年

60.野にありて富士を眺むる福寿草
63.雪解けを待ちて揺れるや昼の海
66.わたくしの昭和が回る風車
69.
初夏の風君の鎖骨をゆるく撫で
72.佇めば寂と寄りくる金魚かな
75.身をよじりいちじくに向かえ手幼き
78.留め山に松茸匂い胸騒ぎ
81.
少年のソプラノ澄みし寒稽古

61.ふるさとにまだ母のおり女正月
64.巡礼の道のまっすぐ日永し
67.さえずりや峠の茶屋の老夫婦
70.根の残る塩らっきょうや鄙の宿
73.時々はくらげに会いに水族館
76.登高の果ての空っぽ魂よ
79.秋深しハングル文字や日本海
82.くさめして真青き空をもてあます

62.冬ごもり聞くとはなしに水の音
65.わたくしの昭和が回る風車
68.水辺にて朽ちゆく骨や春の昼
71.念入りな化粧のくずれ夏木立
74.
炎天や村中午睡犬の糞
77.信濃路や林檎有ります寺の門
80.コンビニの裏を曲がれば狸穴
83.四畳半書き込みもなし古暦

21年

84.同じ日に生まれた友と手鞠つく
87.婆去りてこぼれたるかな蕗のとう
90.
蒙古斑縁側座布団風光る
93下界より薄暑をつれて登山客
96.ふんすいやちびた石けん宿無し人
99.川ゆたり踊り疲れて眠る町
102.母の恋見て見ぬふりや赤トンボ
105.小春日や婆総出の過疎の村

85.呆けてゆく父の窓辺や寒椿
88.雲水の素足濡らして春の雪
91.新宿は君らの墓標夏近し
94.ドクダミや老女Aには前科あり
97.*************
100.浮世去るひとつの身体秋あつし
103.犬の名をマリ・カルメンと秋の暮
106.湯豆腐や丸めた背の昔夢

86.逢瀬の日我には鮫がいると思う
89.三月の宙に浮き出す魂よ
92.藤棚や女人の顔の蒼きこと
95.海鳴りのかすかに聞こゆさくらんぼ
98.寝ころびて瀬音涼しき仏間かな
101.
山紅葉最終バスの走り去る
104.阿蘇連山置かれたるごと冬の雪
107.産直の白菜丸ごと売れ残り

22年

108.初富士は天空にあり恋人よ
111.生み立ての卵ひとつや薄氷
114.きんぴらのシャキッと出来ぬ花疲れ
117.涸滝やハーケンひとつ残されて
120.
ぼうふらや他人事にはかかわらず

109.小鳥来るちゃんちゃんこの手の平に
112.生み立ての卵ひとつや薄氷
115.春燈や秘すこともなき暮らしもち
118.昼顔や真っ当に生き今日(いま)のオレ
121.
浴衣着て少女無口になりにけり

110.日脚伸ぶ君の故郷へまっしぐら
113.青踏や子らのしんがり猫がゆき
116.鮎釣りの故郷の川を懐かしむ
119.
父なき子産んでみるかな夏野原
122.立て膝で蛸食う人も響灘

優勝
殊勲賞
敢闘賞

25.手に扇死にゆく雄牛をじっと見る
47.梅雨寒やるすばん猫に煮干買う
61.ふるさとにまだ母のおり女正月
74.炎天や村中午睡犬の糞
81..少年のソプラノ澄みし寒稽古
121.浴衣着て少女無口になりにけり

58.船宿の蒲団干されり日本海
69.初夏の風君の鎖骨をゆるく撫で
88.雲水の素足濡らして春の雪
90.蒙古斑縁側座布団風光る
101.山紅葉最終バスの走り去る
115.春燈や秘すこともなき暮らしもち
120.
ぼうふらや他人事にはかかわらず

36.水くぐる淡きみどりの初若菜
60.野にありて富士を眺むる福寿草
72.佇めば寂と寄りくる金魚かな
85.呆けてゆく父の窓辺や寒椿
119. 父なき子産んでみるかな夏野原


19年

36.知らぬまにくちずさみつつ若菜切る
39.微笑みと同じ色なり朧月
42.葉桜にまた来年と独りごち
45.新緑や描けば描くほど嘘に見え
48.蟻の巣に水そそぎこむ無邪気な目
51.光玉と化して風鈴売り歩く
54.ながれ星終のすみかや胸の内
57.菊の花長じてみれば秋の味

37.腹くちて天空すべる寒鴉
40.雛納め焦るは古い女子ばかり
43.亀鳴きて火影色づく夕間暮れ
46.まら洗う裸の少年背丸く
49.梅干すを知らぬ友あり古里の山
52.群青を味方につけて案山子立つ
55.新そばや香りたぐりて昼の酒
58.
*************

38.早春の空を見上げて背すじのび
41.春の夢続きをみんと目を瞑り
44.しゃらしゃらと葉音夏めく木陰かな
47.寄り添いて傘さす二人梅雨の花
50.渓谷に水浴びる子ら紫の口
53.芋も世もむくほどにいや手に負えず
56.ころがるを知らぬ団栗一刻者
59.灯に惑い一夜かぎりの聖夜ミサ

20年

60.十七字素数の中の福笑い
63.雷鳥と足並み揃え雪解山
66.光統べ階調深く白れんの肌
69.酒タバコ雨中に並ぶ桜桃忌
72.マッチ箱そっとすべらせ蛍見る
75.アンカーの目尻に残る暑さ哉
78.どんぶりに新米ひとつぶ残り神
81.まつりごとレゾンデートル虎落笛緑地

61.独楽もまた永遠の命を夢見るや
64.ぴかぴかとランドセルゆき山笑う
67.遠足や水の甘きを知る日なり
70.雲ふたつふとらっきょうを漬けてみる
73.満月の水面に遊ぶ海月かな
76.登高やバカと煙とスキットル
79.深秋の焚き火赤白やがて青
82.くさめして己の人望ゲタ履かす緑地

62.隙間風気にせずとよし自由人
65.春愁のざわめき抱く木立ちかな
68.
春昼や求人広告無人駅
71.夏木立月光浴びてざざと啼く
74.炎天や音立てて降る光り在り
77.通学路ネットの継ぎ跡りんご園
80.面映ゆし五十路の父の七五三
83.どうでっか?あきまへんなと年忘れ

21年

84.口ずさむおはらしょうすけ初湯かな
87.
蕗の薹浅間の煙りと背くらべ
90.雨上がりあっけらかんと風光る
93.水菓子をつたうシズルや薄暑かな
96.きうり持ち墓前で酩酊餓鬼忌かな
99.夏死なむ辞世の唄か蜩の声
102.
*************
105.*************

85.玄関に家人座りおり寒椿
88.春の雪溶けぬ内にと味見する
91.鳥の声聞きて目覚める夏隣
94.息ひそめ窓辺の邂逅守宮影
97.頂きをめざして下向く登山口
100.永き刻想う人あり無月かな
103.阿佐ヶ谷の色なき風に吹かれをり
106.湯豆腐の正しき姿に身を正す

86.考える振りをしてみる懐手
89.よもぎ餅ほおばりて春いただきます
92.ベランダの小さき幟ふうと吹く
95.茎結ぶ口元に紅さくらんぼ
98.遺されし老婆の肩灼く終戦日
101.職人の背中(せな)を見ている竃馬かな
104.冬晴の空見て少し笑ろてみる
107.オリオンの瞬く空に線を描く

22年

108.七五三やり忘れたか成人祭
111.*************
114.天気図に一喜一憂花疲れ
117.暗闇に馬群のごとし夜滝かな
120.ぼうふらや二人区候補に同情す

109.*************
112.つくしんぼ収穫忘れて駆け回る
115.*************
118.
昼顔に半目隠して刑事立つ
121.************

110.つなぐ手の手袋うらむスケート場
113.
*************
116.
薪はぜて鮎の香りと山の音
119.いきもののエロスにむせぶ夏野哉
122.************

優勝
殊勲賞
敢闘賞

68.春昼や求人広告無人駅
87.蕗の薹浅間の煙りと背くらべ
116.薪はぜて鮎の香りと山の音

118.昼顔に半目隠して刑事立つ


19年

36.頬冷えて訪ね行く戸にしめ飾り
39.朧夜の湿りに似たり君の息
42.
薄闇の青にたたずむ桜あり
45.新緑も乾いて哀れ坂の上
48.空破れ夕焼け遠く頬に雨
51.朽ちてなお伸びた背筋の向日葵や
54.日に照りしたわわの檸檬瀬戸の道
57.************

37.空ありき呼び声遠く寒烏
40.大童チャリ漕ぐ傍の鶯や
43.亀鳴きて夢のしじまに引き込まれ
46.ソーダ水味思い出しまた一口
49.夜店散り子らが塵よけ銭さがし
52.
実りありへの字もゆるむ案山子かな
55.月見えてテント芝居の醍醐味よ
59.*************

38.ひとりきり味噌汁のなか浅き春
41.春の夢まどろむ我に始業
44.夏めきて肩二の腕のまぶしけり
47.梅雨空に隠れてふたり傘の中
50.
水浴びや路地にまたがる虹の橋
53.外赤茶割れば黄金蒸かし芋
56.*************
59.薄目開け待ちわび眠るクリスマス

20年

60.耳澄まし吐(つ)く息たよる福笑い
63.
************
66.************
69.
.************
72.プカプカリ金魚泡吐きわれ煙
75.いちじくのぐしゃと潰れし役所前
78.
*************
81.*************

61.目覚めるもまた一眠り女正月
64.笑う山薄紅さして待つわたし
67.遠足や樹々の息吹きを持ち帰り
70.
*************
73.*************
76.*************
79.*************
82.*************

62.すきま風猫の帰るを知らせおり
65.姿なき鳴き声聞きて春愁う
68.
************
71.*************
74.炎天を空より覗く里帰り
77.泣きぬれて秋雨の中赤い花
80.
*************
83.古暦手を止め見いる今年かな

21年

84.歌詞忘れ鼻歌響く初湯かな
87.*************
90.二階窓隣の庭の雀隠れ
93.珈琲をアイスで頼む薄暑かな
96.噴水や虹かかる午後深呼吸
99.その日暮し蜩鳴くをなんと聞く
102.*************
105.*************

85.寒椿白き手に咲くぽたり血や
88.
蝌蚪が尾をちぎりし宵の満つる月
91.夕霞宵の欲望煽りしか
94.朝ぼらけどくだみ花の白きこと
97.学び舎に赤花白花さるすべり
100.秋めきて故郷を念ふ夕べかな
103.四畳半駆らる激情秋うらら
106.*************

86.懐手隠さず仕舞う三十路かな
89.ほろ苦し蓬もち噛み萌ゆ慕情
92.光射す墨汁踊る幟旗
95.眠れずに食らう桜桃蜜の味
98.頬灼けてメガホン響く外野席
101.五条橋弁慶の背に燃ゆ紅葉
104.三日月夜偶さか独り酉の市
107.かあちゃんの味付け恋し年の暮れ

22年

108.思い出し作るお節の味おぼろ
111.指先で摘むも溶けし薄氷
114.花疲れ照らすネオンの帰り道
117.*************
120.************

109.大欠伸鮟鱇闇を吸込みし
112.*************
115.*************
118.昼顔や束の間の熱冷めし夜
121.************

110.湯をくぐり映える緑や春若布
113.踏青や切立ての髪揺らす風
116.
*************
119.夏野原土冷んやりと掴んだ手
122.************

優勝
殊勲賞
敢闘賞

54.日に照りしたわわの檸檬瀬戸の道
62.すきま風猫の帰るを知らせおり

50.水浴びや路地にまたがる虹の橋
52.実りありへの字もゆるむ案山子かな
61.目覚めるもまた一眠り女正月

38.ひとりきり味噌汁のなか浅き春
42.薄闇の青にたたずむ桜あり
62.隙間風気にせずとよし自由人
83.古暦手を止め見いる今年かな
88.蝌蚪が尾をちぎりし宵の満つる月


19年

48.夕焼けの染めし眼鏡に息を呑む(参考)
51.じりじりと縊る風鈴風も絶え
54.微笑めど眉庇の影流れ星
57.遺されてひとり寝の数菊の弁

49.顧みし不義理の数や夜店の灯
52.
禄を捨て吊るせし背広案山子かな
55.肩越しは隻眼の猫月が見る
58.夜は冷め朝深情け布団かな

50.宿酔い要らぬお頭で西瓜割り
53.
愚痴も無し納戸の闇や忘れ芋
56.団栗に詰まりし夢も虫喰いて
59.
降誕祭愚者三人街を往く

20年

60.ふるさとに揃わぬも吉福笑い
63.学友(ルビ:とも)は発ち我胸鎮め追試験
66.もろともにせせる叱言や蜆汁
69.袖無しの眩し柔肌初夏のひと
72.星なき夜はぐれ蛍にみちびかれ
75.
精勤をふと悔いてみる残暑かな
78.新米や食われるならば姉御肌
81
.寒稽古坊主頭の陸蒸気

61.ぬくぬくと留守番手酌女正月6
4.待ちわびて狂うてみたき日永かな
67.信濃路や烏合囀り赤い旗
70.わが打算振り切りて勝て競馬馬
73.情け事逆さ海月や失せし灯よ
76.後れ毛や昼寝をつっつく猫じゃらし
79.秋深し冷えるその手を繋ぎかね
82.雪女照れつ注ぐは燗冷まし

62.隙間風逝きし駄猫の通り道
65.風染みる指輪の痕や春愁い
68.春昼や幽体離脱捨て置きて
71.ほの白き君と迷いし夏木立
74.炎天に影滲みつけて待ち惚け
77.
*************
80.七五三慣れぬ背広の胸を張り
83.後悔を焚付けにする古暦

21年

84.月満つる胸乳に寄せし初湯かな
87.蕗の薹苦いと告げし君ほのか
90.煙草銭雀隠れに呑み込まれ
93.風も止み独り寝饐えし薄暑かな
96.噴水にまぎれて好きと言ってみる
99.淵に立つ背中に蜩降り積もる
102.野に埋けてとむらい託す赤蜻蛉
105.
湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒

85.寒椿真白き黄泉の道しるべ
88.陸を往く野望を孕む蝌蚪蜷局
91.夏隣言い出せぬまま焦がれし日
9
4.負け犬の倒れて咽せしどくだみや
97.登山道悔いの野晒し踏み砕き
100.白桃の産毛あやうく触れかねて
103.流れ星願いをキスに盗まれて
106.
湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒

86.君を呼び鮫の背鰭を見失い
89.三月やバスが来るまで側にいて
92.空を見よ策は無用と幟旗
95.宵待ちて噛まぬ願掛けさくらんぼ
98.目を閉じる夜凉はきみの洗い髪
101.竈馬殺してと君蒼ざめて
104.木枯しや切らる身未だ残りけり
107.牡蠣を剥き君の口唇盗み見る

22年

108.衿ゆるめ若菜摘む君頬紅く
111.薄氷を割らぬ逢瀬もこれかぎり
114.花疲れ空(くう)にまさぐる膝枕
117.仰 ぎ見し滝に真白く胸裂かれ
120.ぼうふらの眠りに猛る魚放つ

109.鮟鱇や水圧の夢腑分けられ
112.子らは去り石鹸玉失せ立ちつくす
115.春の灯を消そうといえず朝がきて
118.昼顔や絡みて踏まれなおも咲く
121.いつの間に帰れぬ二人宿浴衣

110.夜も冴えて今更きみに何を問う
113.青き踏む足裏白く目にしみて
116.身の程を知りて放せし鮎苦く
119.転けまろび青野に追いし兄の影
122.蛸ぶつや鱒二のあれはなんだっけ

優勝
殊勲賞
敢闘賞

83.後悔を焚付けにする古暦

59.降誕祭愚者三人街を往く
75.精勤をふと悔いてみる残暑かな
106.湯豆腐の愚痴に耳貸すひとり酒

52.禄を捨て吊るせし背広案山子かな
53.愚痴も無し納戸の闇や忘れ芋
62.隙間風逝きし駄猫の通り道
81.寒稽古坊主頭の陸蒸気
91.夏隣言い出せぬまま焦がれし日


19年

51.風鈴に寂しさ重ねる別れかな
54.初恋の記憶を辿る檸檬かな
57.冬支度どんどん進む財布かな

52.ひとり夜のバーボンソーダ蚯蚓鳴く
55.午前様車窓の月の癒し受け
58.短日や茜に染まる摩天楼

53.時の鐘芋の集まる我が母校
56.団栗もいつしか差がつく頃になり
59.己より出前のサンタ先に来て

20年

60.福笑い天下美人も器量負け
63.母の愛入試の朝のカツサンド
66.蜆汁すすりて肝に詫びる朝
69.ふと気づく父のちひさき初夏の影
72.幾度目の夏ともにする金魚かな
75.黄門様無花果甘し宴後
78.松茸やちょっと小ぶりと君は云ひ
81.あなたにも届いてほしいもがり笛

61.独楽あそび紐を巻き巻き日暮れかな
64.くしゃみして誰か噂か山笑う
67.遠足や山若々し童声
70.昼下がり接吻阻む辣韮かな
73.陽を浴びてトマトますます甘くなり
76.登高やケーブルカーの下りかな
79.銀杏や不意の放屁を隠すなり
82.
父帰る遠く聞こゆる嚔かな

62.胸痛し愛なき夜の隙間風
65.春愁や恋花の咲く気配なく
68.ベランダで温き陽浴びつ新茶かな
71.怪童の白球消ゆる夏木立
74.若人よ我はビールに育まれ
77.秋雨や辞任引退Bクラス
80.むすめより母めかし込こむ七五三
83.わが叫び世に届かざる年忘れ

21年

84.手毬つき子らと楽しむ影法師
87.のどかさやローマの休日よれよれれ
90.空高く白球消えて風光る
93.髪を結ふうなじ光りし薄暑かな
96.噴水にちひさき靴のふたつみつ
99.懸命に息あわせつつ踊りかな
102.古き友たずねて来たり赤とんぼ
105.湯豆腐や冷めた心もあたたまり

85.*************
88.我よりも蝌蚪は元気に泳ぐなり
91.*************
94.
新枕壁にちひさき守宮をり
97.いつの間に父を越えたる山登り
100.禁断の恋焦がれゆく大文字
103.穴惑ひやうやう気まずくなりにけり
106.湯豆腐や冷めた心もあたたまり

86.店員の声がけを待つ懐手
89.三月や旅立つ友に花よ咲け
92.幟立て我はここぞと叫ぶ夜
95.片想ひ文をしたたむ業平忌
98.白球や豪打一閃音凉し
101.恋色に染まって散りぬもみじかな
104.ジョギングやいつもの道の息白し
107.*************

22年

108.初富士や今年も降るる山の神
111.うすらひや忘られぬかな忘るかな
114.地下鉄の車窓に映る花疲れ
117.中仙道飛沫をあげる女滝かな
120.孑孑や刺さねば憎きこともなし

109.ちゃんちゃんこ着ぬと頑固な親父かな
112.恋心せせら嗤うか石鹸玉
115.
*************
118.*************
121.はんなりと石鹸香る浴衣かな

110.恋路とて思ひたゆまば春遠し
113.青き踏むあらたな道を感じつつ
116.
鮎釣りや腰手ぬぐひの色あせて
119.灼熱を素足で踏みつ夏野かな
122.露天風呂真っ赤な蛸の茹であがり

優勝
殊勲賞
敢闘賞

82.父帰る遠く聞こゆる嚔かな

116.鮎釣りや腰手ぬぐひの色あせて


19年

51.向日葵や 真昼の墓標 天を裁つ
54.善き人は征きて還らず流れ星
57.*************

52.都びとへのへのもへじ皆かかし
55.神は無し猫と見ている昼の月
58.短日や秘めごとありて影深し

53.柏鵬の昭和も遠し大相撲
56.んぐりや寂しきものの屋根たたく
59.生まれきて祈るを知らず降誕祭

20年

60.金色の野仏おわす福寿草
63.追試験親しき顔の二つ三つ6
6.
進化論知るや蜆の大あくび
69.生きていていいよと言ってよ桜桃忌
72.一身に闇を集めて螢飛ぶ7
5.
黙礼に万感こもる残暑かな
78.独り居の椀も香し今年米
81.海峡を望郷のせて虎落笛

61.楽ふたつ恋の戯れ旋舞(ル:ワルツ)かな
64.白球の高く飛ぶ空山笑う
67.囀りや朝の織物あたたかし
70.大逃げや詩人早逝くらべ馬
73.たゆうとうてただたゆとうて海月見る
76.
*************
79.秋深しみんなが鬼のかくれんぼ
82.
くさめして静けさ満てり大伽藍

62.枕辺に白川静冬ごもり
65.春愁や一つからだに老いと恋
68.古女房蜜月浮かべ新茶かな
71.家なくし雨になる朝かたつむり
74.君が代の炎天穿つ無の一字
77.おさげ髪りんごの頬っぺや北帰行
80.泥舟やどこ吹く風のたぬき顔
83
.忘却の数だけ澄んで暦果つ

21年

84.甲斐の嶺母と越え来た手鞠かな
87.緑児が手を広げおり蕗の薹
90.飛鳥なる古寺の甍に風光る
93
.追伸を長々書きし夕薄暑
96.名に龍の居るが狂おし河童の忌
99.唐くにの調べに乗りて風の盆
102.赤とんぼ追われ追われてあゝ荒野
105.白鳥の舞い来て忙し十三湖

85.潔白の血の一滴か寒椿
88.狂おしきのちの思ひに春の雪
91. 群青に白球映えて夏近し
94.置き手紙読む闇ひとりやもり啼く
97.
山登り俗なる我を脱ぎにゆく
100.秋の暮誰を探すや影法師
103.
書を売りて書を購える夜寒かな
106.白鳥の舞い来て忙し十三湖

86.いつになく無口な父の懐手
89.三月は行きつ戻りつ風の中
92.食んで永遠に遊べや鯉のぼり
95.朗詠の声や艶めく業平忌
98.風涼し蕩児の帰る夕餉かな
101.かまどうま無用の用は美しき
104.待ち人は終に帰らず寒雀
107.髪結いて大つごもりの終電車

22年

108.去年今年一の一文字きらめけり
111.道ならぬ逢瀬の朝の薄氷
114.花疲れ郷の訛りを遠く聴く
117.天と地のまぐわいするや那智の滝
120.天晴れのぼうふら人生雲流る

109.夜に棲む鮟鱇食す真昼かな
112.つくしんぼ草書の便り野に満てり
115.打電せよ此方彼方へ春の燭
118.昼顔やひとり遅れて咲きにけり
121.激情を秘して真白き浴衣かな

110.初雪の光り宿して蕾かな
113.髪切りて少女は凛と青き踏む
116.曲線の優し美し鮎還る
119.夏野行く真澄の空と口笛と
122.章魚と書く蛸をにらんで日が落ちる

優勝
殊勲賞
敢闘賞

82.くさめして静けさ満てり大伽藍
93.追伸を長々書きし夕薄暑
103.書を売りて書を購える夜寒かな

60.金色の野仏おわす福寿草
86.いつになく無口な父の懐手
97.山登り俗なる我を脱ぎにゆく

62.枕辺に白川静冬ごもり
66.進化論知るや蜆の大あくび
75.黙礼に万感こもる残暑かな
84.甲斐の嶺母と越え来た手鞠かな


20年



74.
炎天や托鉢の鉦響きをり

75.いちじくやカサリと頁めくる音
78.十二年新米炊いて仲直り
81.朝夕に虎落笛聴く旅の宿

76.登高や盃ごとの色を干す
79.参道は銀杏たちの墓所なるや
82.雪女戦意失い闇となる

77.秋霖の内にこもるや七郎(どぶ)鼠(ねずみ)
80
.風鳴りて狸の骨の細きこと
83.古暦この身の皮も脱ぎ捨てる

21年

84.初風呂や芯の一本熱くする
87.ふきのとうあと出しなしのグーと決め
90.少年と鳥のマラソン風光る
93.
隣家より爪切る音の薄暑かな
96.噴水のぐるりはひとの指定席
99.
ひぐらしや鐘つき堂の影動く
102.草の花見え隠れする猫の足
105.白鳥やしわがれ声の女と遇ふ

85.情熱の重さに耐えて寒椿
88.淡雪や今日の鐘の音やはらかく
91.夏近し葛切り客の国訛り
94.貧血のやもりは白きしみとなる
97.百日紅男の意志は海を飛ぶ
100.鈴虫の一匹をりし夜の隅
103.銀幕のスターも去りぬ柳散る
106.白鳥やしわがれ声の女と遇ふ

86.梅の香や鮫と語らう翁あり
89.
ふる里は蓬が門の奥にあり
92.藤の花長電話する姿なく
95.ふりしきる雨のかはらや業平忌
98.座布団の折られしままや夕涼し
101.竈馬韓人たちの無言の炎
104.珈琲に映る混沌冬の空
107.大枝に揺れているよな冬の月

22年

108.陽だまりにまき散らされし初雀
111.ひとひらのうすらい揺れし午後の湖
114.花疲れ降りやむまでのあと少し
117.重力に勢いそがれ滝の道
120.ぼうふらの鳴かない夕べ雨の音

109.仏蘭西語学ぶ背中やちゃんちゃんこ
112.つんつくとつくし目覚める陽の中に
115.春燈や傘の往き交ふ石畳
118.昼顔のおしゃべりつづく風通り
121.さりさりと浴衣まといし細き肩

110.からからの冬のからだのかたさかな
113.あをきを踏む解放感のその中に
116.帯長し畳に遊ぶ鮎の群れ
119.あをくさき夏野を閉じる一歩かな
122.大文字の大のようなる蛸炊ける

優勝
殊勲賞
敢闘賞

74.炎天や托鉢の鉦響きをり
80.風鳴りて狸の骨の細きこと
93.隣家より爪切る音の薄暑かな
109.仏蘭西語学ぶ背中やちゃんちゃんこ

76.登高や盃ごとの色を干
89.ふる里は蓬が門の奥にあり
99.ひぐらしや鐘つき堂の影動く
109.仏蘭西語学ぶ背中やちゃんちゃんこ


21年


87.ふきのとう渋染む爪も灰となり
90.頑なが雀隠れに割られ笑み
93.鍋底の筍飯の焦げ食む夜
96.噴水をただ眺めをる午後三時
99.洗濯の終わるを告げるかなかなや
102.
ほうぼうに散りたる友や赤蜻蛉
105.天空のほつれ縫い往く白鳥や


88.新しき朝に灯るは春の雪
91.ヤッケ手に信号を待つ夏近し
94.何おもふ鳴き方知らぬ守宮の子
97.だだっ子の声背負い行く登山道
100.鬼の子と風遊びたる古梯子
103.天からと見まがうほどに木の実降る
106.天空のほつれ縫い往く白鳥や

86.じりじじり鮫寄るように夜来たり
89.身放てば咽返るほど蓬の香
92.
藤棚の朽ちたるに言うただいまと
95.つやつやとほおべたのごとさくらんぼ
98.傍らに眠る近さや涼し宵
101.目ざめれば我ふみつけるかまどうま
104.
綿虫の行き交う朝の紺深し
107.飲まぬ祖父酒を供えて年用意 

22年

108.お降りの真白を肩に歩きけり
111.ひとつ波きてまた海苔のさんざめく
114.流れゆく川かがやけり花疲れ
117.おののいて見あげる子らに滝しぶき
120.
ぼうふらや言い尽くしたる暇乞い

109.鮟鱇や天噛みしだきつ骨となる
112.唇にほのにがき痕しゃぼんだま
115.春の灯に導かれ入る迷路かな
118.のびをして浜昼顔のひとつになる
121.背まるめ小さき浴衣母は縫う

110.吹く風や探梅行の道しるべ 
113.ざわざわと踊るスカート青き踏む  
116.鮎一尾差し出されたる銀の腹
119.郷愁の針振り切れる夏野原
122.
店前の女の小言蛸うだる

優勝
殊勲賞
敢闘賞

120.ぼうふらや言い尽くしたる暇乞い

96.噴水をただ眺めをる午後三時
102.ほうぼうに散りたる友や赤蜻蛉
122.店前の女の小言蛸うだる

92.藤棚の朽ちたるに言うただいまと
110.吹く風や探梅行の道しるべ  


21年


99.天水や鉦に色めく阿保踊
102.
鉄棒の錆の匂ひや草の花
105.白鳥の雁に交じらじ北の湖

97.百日紅シフォンのスカーフ絡まって
100.一号線辻は曇天曼珠沙華
103.朝澄みし少女転びぬ栗林
106.白鳥の雁に交じらじ北の湖

98.くさまくら潮騒涼し夕日ごろ
101.とっくりに挿されたたるもの今日もみじ
104.
ちょび髭の売る絹怪し冬の市
107.深夜バス降りそこねるや年の暮

22年

108.たくましき昭和の行きかう初観音
111.薄氷や百年の井の終わりかな
114.花疲れ数へし虚の二つ三つ
117.重力や話す言なく滝ながむ
120.番町や孑孑しずむ井戸のやみ

109.あんこうの顎はずしおり猫の鳴く
112.
方丈に風残りたる土筆かな
115.春燈へ帰る男の背中かな
118.昼顔の襞に虫這ふ午後長し
121.おさがりの浴衣の長し女物

110.友ありて飲むサングリア冬終る
113.青き踏む葬列風を進みをり
116.星降るや炎に光る鮎の塩
119.東雲やいのち明るき夏野かな
122.蛸の口見つけてあはれ海の幸

優勝
殊勲賞
敢闘賞

102.鉄棒の錆の匂ひや草の花

112.方丈に風残りたる土筆かな

104.ちょび髭の売る絹怪し冬の市


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