平成14年4月分   2002.4

4月20日(

映画ってほんとうにいいですねぇ〜面白いですねぇ〜〜!さいならさいなら!

【204510日】

 騎虎の勢いなんとやら・・・昨日は日記を書き上げ外出モードに突入そのまま吉祥寺まで足を伸ばし映画鑑賞!
例によって開演時間も調べず行き当たりばったりの行動だったが、運良く、劇場に着いたときは予告編の真っ最中。観たのはリドリー・スコット監督作品の戦争もの「BLACK HAWK DOWN」。観るぞと意識した映画の場合は、前評判を念頭に置かないように、見ざる聞かざる・・・ニュートラルな状態で見に来ることを心がけている。が、とかく業界メディア人や映画ファンの仲間が多い酒場の店主という立場上、耳をふさいでも、じわじわと先入観に汚染されてしまう。中には起承転結、起と結だけを喋りたがる手合い、あら筋全編を語ってしまうヤツなどは、誠に腹が立つ。昨今流行の「ミスター・ルーキー」のような映画は、映画関係者でさえ阪神ファンである特有の身びいき評定に身を震わせて歓喜大絶賛をしている姿などは実にいじらしくもあり、これはこれで完結なので、愉快な景色でもある。
またデビット・リンチなどの映画のように説明したくとも説明のしようがない映画なども、ありがたい映画なのだ。では「ブラック ホーク ダウン」に関しては、映画雀たちがどのように宣っていたというと、これがどうしたわけか映画業界の専門家たちでさえ多くを語ることはなかった。ということでこの映画に関してはかなりの期待感をもった。本編2時間25分という長丁場、ほとんど女が登場することがない、ひさしぶりの男性映画であった。が、ほとんどが展開展開また展開という極々限られた街区内激戦地での戦闘シーンは、スクリーン上で闘う兵とともに出口を見失ったある種の閉塞感から、重苦しい息苦しさをともなう。(実際、劇場を途中退席した女性が3〜4人いた)。
実際のところこのオレも、エンドタイトルがスクロールする間、何度となく深呼吸を繰り返したほど疲労感でいっぱいだった。が、観賞の後味は、オレの映画史のなかで、かなり完成度の高い満足感をもらったのは、確かなのだ。

4月19日(

やるともえばどこまでやるさ、それが男の生きる道〜〜〜人生劇場なのだ!

【204509日】

 春なのに気の臥せることばかりに頭を占領されていた、そんな日々が続いていたので雑記帳に向かう気がしない。そんな今日の午後のことだった。天気の良さと暖かさに屋外に誘われ、家前の水打でもしようかと門柱の姫林檎の木に目をやると、なにやら樹葉木全体にちいさくゆらゆら揺れているものがある。まさか一夜にしてこれほどの花が咲くものかと、そのものに目を寄せた瞬間、その不気味な物体にアッと叫んで飛び退いた。外米ほどの太さ長さの小虫が、赤緑黄色の三原色を体全体に不気味に配し、幹から延びた枝だという枝に新緑の芽を葺いた葉先から根本まで、姫林檎の木を食い尽くすかのように、びぃ〜〜〜〜しりとこびりつきここちよさそに風に揺らめいている。
これには心底たまげた驚いた。だぁ〜と部屋にとって返し、殺虫剤を探すも見あたらず、ふと見れば先年悩まされたねずみ事件の時に買い置いたダニアースがあるを幸いに、裸足のままもなんのその、とってかえして姫林檎の木めがけ、これでもかこれでもかコンチクショーと振りかけた。時には風向きの加減で己の顔にまでダニアースをひっかぶりながらも、奮迅の格闘。その時の光景は凄まじいものがあった。スプレーをかけられた高さ2メートルほどの姫林檎にこびり付く虫たちが、のけぞりしがみつき、やがて落ちる姿は、微速度撮影での花の開花のようでもあり、マクロ的に見れば阿鼻叫喚の世界なのだろう。その惨殺する側の変奇感が、不気味な形の中に美を見て、心地良いのだ。このことで、ずっとオレの頭にこびり付き悩ませていたことのすべてから、ある種の爽快感をもって解放された。
さぁ〜後は健康だ。<夢は五臓六腑の病から・・・>というではないか、健やかな毎日を迎える心づもりをしよう!

4月6日(

【204497日】

 先日グリコのおまけシリーズにはまりそうだと書いたら、幡ヶ谷の友人山内君が自転車で駆け付けてきてくれた。彼とは、我が店の35周年記念CDアルバム「asagaya friends」の完成記念を敢行した、新宿PITINNライヴに出演してもらって以来のこと。そのライヴで彼と彼の先生が演奏したのは、オーストラリア原住民アポリジニの楽器ディジュリドウ。この楽器は、シロアリがユーカリの木の芯を食い散らかして空洞化した筒状の棒を原住民が楽器としたものであるという。彼がこの奇妙な重低音楽器をオレの店で吹き鳴らすのを、客たちが呆然と聞き惚れ、その楽器に挑戦を試みるが、またこれがえらく難しいものだったことが縁で、PITINNでの演奏となった。これは、その日の観客は、その妙な楽器にたいする驚きと感動を味あわせてくれた。あらっグリコのおまけのことを書こうと思っていたのに、気の向くままに書いていると、こうなるのが私メノ性格なのだ。その山内君は、ことのほか趣味人。その範疇は、本格的な道具立てをした鉱石探しや砂金取り。マウンテンバイクにアイスホッケー、謡い、落語に・・イヤイヤ数え上げたらきりがない。それ総てにことの他のめり込む性格なのだ。ご本人も「人生時間が足らないよぉ〜!」と人の何倍も浮かれ楽しんでいる。本日、チャリを飛ばして幡ヶ谷くんだりから、わざわざやってきたのもその一環で、先日オレ書いたグリコのおまけ件の日記を読んだから。
「これ持ってきたよ、でもヤノさん、もうグリコのこのシリーズは終わるよ」と差し出したのは三輪トラック!!!「だけど、ガチャガチャにはなになにが、チョコエッグはどうたらこうたら・・」もうその事情に通じていること。恐るべし山内。飽くなき求道心、限りなく続くお楽しみ人世・・・その彼も、そろそろ人生天命を知る齢50歳。
この男とも相当永いつきあいをしている、今日も彼との楽しい会話の最中に、ふと思い当たることがあった。
そうだ、この男はいままで一度として、後ろ向きのうっとうしい言葉を吐き出した記憶が無いということに気がついた。凄いヤツだ、凄いといえば酒の量もこれまた凄い。今日も午前二時近くまで飲み続け話し続け「じゃまたね」と店を出た。彼が帰った後の店の静かさに、ふと気がついた。やつは明るいが、えれぇ〜うるさいやつだったのだ。

4月3日(水)

【204494日】

 このところ、妙に驚かされることが頻繁におこる。これは春の珍事の言葉で片づけられぬ、なにかがあるのだ。
先日も、拙宅にて夫婦水いらずの夜食を済ませ、のんびりとテレビなどに耽っていると、突然ガチャッとドアが開き「こんばんわぁ〜〜」と闖入してくるものに、「ヌヌツ誰だ!曲者メが〜!」「ウゥ〜ワンワンワン!」と遠吠え!「チアァ〜ス」と居間に顔を覗かせた其奴は、このサイトにノリパリ日記を書いている巴里在住中の三浦ノリダー。「今さっき日本に着いたところ」とジェットラグも感じさせぬほど、元気に登場したことも驚きのひとつ。
その時、我が家でのノリダー歓迎飲み会にやって来た小沼夫妻が、神宮球場でヤクルト×広島戦観戦後の報告で「明治神宮野球場は今期から禁煙になった」と聞いた驚き・・・あそこはヤクルトファンならずとも、野外ならではの楽しみが味わえる唯一の解放区だと思っていたのに・・・ヤクルトは絶好調だがこれは残念至極悲しい驚きだった。
また野球といえば阪神が40何年ぶりの開幕4連勝・・星野采配がこれほどまでに、これなど最大の驚きだろうか!まだまだある・・・銀杏小路のオレの店から3軒隣の二階の酒場Yが、消防隊を出動させ近隣を震撼させた出火騒ぎの二日後、アララというまに店を開店したこと。その火事を教えに来た由美が、ひとりこつこつと部屋を改造して、ジュエリーハウスを開店させたこと。その火事を見ていた隣下のスナックのママさんの店がアララと潰れたこと。
火事の最中オレの処で泰然と酒を飲んでいた中島監督のカミさん吉田伸子が、恋愛エッセイ集を出版したこと。
元うちの従業員だった浦野が家を買ったこと、もとうちの独り者の常連今井が横浜にマンションを買ったこと。
作家、荻史朗が連載2本を抱え呑みにも出れなくなっていること。阿佐ヶ谷名物けやき屋敷の隣にある、近在唯一残されたと言っても過言でない川口ケの西洋館が取り壊されたこと。オレが、ネットオークションにズブズブにはまり、また新たにグリコのふろくに手を出しかけていること。なんだか支離滅裂になってきたのでやめておこう。

4月1日(月)

酒、女、歌を愛さない者は一生馬鹿な人生を送る はキング牧師の言葉

【204492日】

 阿佐ヶ谷と高円寺の境界にある馬橋公園。例年この季節は、五分七分咲の桜に春の喜びを感じるのが常なのだが!先日の花散らしの大風が、過去を見ない暖春に咲き狂ってしまった桜花を、すっかり散らしてしまったのが淋しい。それでも、後咲きの若桜か、それとも根のしっかりした根性桜だろうかが、春の喜びのお裾分けのように咲いているので、馬橋公園の桜の木の下に集うそれぞれの群の和と輪も、意外なほどに華やいでいるのが、暖かい景色だった。また迎えた春の喜びに<今年も桜を見ることが出来た、また来年も見れるかねぇ〜!>と、生きている喜びに賑やかな老人たち。新しい生命をこの世に放りだした若い母親たちは、これから始まる子供との人生のライセンスを仲間たちと交換交歓し合い、かなりのハイテンション。そのそばでは、沸き立つエネルギーに疲れを知らぬ子らが、雄叫びを上げて走り回っている。
桜木といえば、花影は薄いながらも生命の始まりである春の歓喜の花びらを、樹下に遊ぶ人々の頭上に、外に絶えずハラハラと振りはらっている。見あげれば、花影の先に透けて見える真っ青な初夏の様をした空に向かって、樹下に遊ぶそれぞれの生が、嬌声とともに舞い上がり吸い込まれていくようであった。(あちゃ〜〜〜なんと文学的な!)今日は、そんな桜の樹下に遊ぶ人たちの景色をデジカメで撮ってみたので、今日のデジカメ日記に載せた。
その写真を見ながら一句思い出したので書いておこう。<散る桜散らぬ桜も散る桜>あぁ〜無常!
その景色に犬とふたり連れのオレ、群のあちら側から見たら、それはそれで結構な春の風物に見えたことだろう。