平成16年2月 2004.2

2月27日(金)

100円デパート安すぎる!

【21076】

 この国の司法のあり方が問われても致し方がないほどバカバカしい年月八年余りの永い年月を費やして、今日あのヤロウの一審判決死刑が下った。当たり前だ。ただ永すぎだ。ダイソーという安売りの店が阿佐ヶ谷に出来たことはもれ聞いていた。先日、落語ファンのカリスマ美容師純子ちゃんがやってきて、カバンの中からなにやらとりだした。
「やのさん見てみて」と、満面の笑みを浮かべながらCDを差し出した。見れば、なんてことはない普通のCDがタイトルに古今亭志ん生とある。「ねぇ〜ね〜これ100円よ!」。 「あららブックオフかぁ〜、ついに中古市場に落語タイトルまで流出しだしたのか、そうだよなこの間なんかじゃずのCDが200円で売っていたものなぁ〜」と嘆いて見せた。
「違うもんね・・・これ100円ショップのタイソーで買ったの、新品よ」。驚いた古今亭志ん朝の大工調べ前・後編40分が、100円でまるまる聴けるという。情けなぁ〜〜!
なんでも、三遊亭円生、金馬などなど10数タイトル分の落語CDがタイソーから販売されて「浪曲だってクラシックだってなんでもあるから行ってごらん」と彼女が吼えた。
クソッ今まで金と時間をかけてコレクションしてきた俺の行為を根こそぎ否定するようなこのあり方。ムカっ腹が立った。巫山戯るなぁぁ〜文化に対する冒涜だぁ〜俺も吼えた。と言うことで今日、パールセンターの奥にあるタイソーまで確認のため散歩がてら和子と出かけてみた。スーパーのエスカレーターで駆け上がると二階。タイソーはそこにある。細々した商品がカラフルにかなり広めな店内に溢れかえっている。CDを探そうとするがなんとも嫌みなことに、エスカレーターの降り口の真ん前にどでぇ〜んと陳列してある。
その陳列棚に並べられたさまざまなジャンルのCD。これ全てタイソーブランドで・・・どれもこれも100円+消費税5円で105円也。天に唾吐くやり方で腸が煮えくりかえった 。俺はなにがあっても買うことはないぞと和子を見れば、すでになにやらを手に持ち俺に差し出した。「犬のレインコート100円だって!」「おぉ〜それはいいじゃないか」。
店内を隅から隅まで探索したが、生活用品全て揃っている。なにからなにまでデパートなどで売っているものと遜色ない。はぁ〜安すぎる。素敵なグラス、器まで手に取り驚くことばかりだ。100円ショップというものを、ちょいとバカにしすぎていたようだ。これはもはや100円デパートと言ってもおかしくない。だからといってあれは許さないのだ。

2月24日(火)

新宿で盗撮

【21073】

 新宿シアタートップスで公演されている「劇団道学先生」を観てきた。演題は「男子一生の仕事にあらず」。かつて日活がロマンポルノ路線に走る騒動を描いたものである。
新宿に着いたのは開演時間7時半には小一時間ばかり早い。トップス近辺をぶらぶら散歩の挙げ句にちょいと小腹が空いたので、アカシアのロールキャベツをターゲットに決めた。俺はロールキャベツシチュー690円、和子はハヤシロールキャベツ850円、相変わらずのコストパフォーマンスの高さには大満足。だが、満員の店内を仕切るウェートレスたちは、みな中国人の女性たち。一生懸命サーヴィスに勤めているのだろうが、やはり細かい気配りに欠けていることで、若干鼻白んでしまうのは、俺だけではないだろう。
その昔、ここには細長いビルが建っていた。一階はジャズ・アカシア。二階にジャズ・スティック、三階に俺の人生を変えたジャズの店DIG。ビル全体がジャズの殿堂だった。  今はその面影もなく、この一角はすべてアカシアが経営するさまざまな店が占有している。かつて100円台で美味しく戴けたここのロールキャベツの味も、ひどく現代的な味になってしまったのもいた仕方ないことで この新宿で過ごした俺の青春の一頁も、もはや30数年前のことなのだから。
アカシアを後にトップスの喫茶部にて食後のコーヒー。店内に足を踏み入れると、大テーブルにひとり”咳声喉に浅田飴”のエイロクスケ大先生が、粋な姿で原稿を書いていた。すかさず俺の人間写真コレクションに入れるため、和子を隠れ蓑にして
その姿を盗撮。暫くして立ち上がった大先生が向かったのは、俺たちがこれから行くところと同じ方向。
アレレ、なんでだろぉ〜おなんでだろぉ〜なんで大先生が道学先生なんダァ〜と和子と顔を見合わせ、その後ろ姿を見送り、一服のあとに俺たちも立ち上がり劇場に向かう。
和子は顔見知りの受付嬢に「エイロクスケが来たでしょう〜」、「うんきたきた」と共に劇団関係者ふたりは興味津々。チケットを受け取り館内にはいるとすでに満席状態。
時間通りに開演。舞台上に現れる見知った連中の演技ゆえか、速やかに芝居に没頭できず虚と実の狭間をさまようこの形がどうも俺は苦手である。これが芝居嫌いの要因かな。
ま、なにはともあれ暗闇の中でひとりさまようわけもなく、やがては舞台に集中できたし1時間半近くの芝居の内容も彼らの演技も大変面白く、これは一押しのお奨めものである。トップスを後に、相も変わらず向かう先はゴールデン街、中島の店「鳥立ち」。今日はなぜか酒が進まず小一時間ほどで退散。阿佐ヶ谷に着くと飲み足りなさで、もう一軒。
結局、満足行くまで飲まなければならぬふたりだということを確認した馬鹿夫婦。家に帰りまた酒。風呂に入った記憶が?床に尽きたのは何時だったのか!あぶないあぶない。

2月19日(木)

始動せよ!

【21068】

 今週の月曜に恒例のATOM写真会には参加したのだが、撮影を近場で済ませてしまったせいか、案の定、高得点が取れず二回連続女性陣に一等賞をもって行かれてしまった。
最近は、ブラブラ歩きもせず半径数百メートルを徘徊しているので、日記のネタもなくなぜかぼんやりと一日を過ごすことが多くなっている。そのせいかこの日記もさして書く材料もないので更新を怠っている。そこへ、今日、この日記のスーパーリピーターで、同世代の友人のひとりであるカタヤマのケンちゃんから久し振りに「寒さ故のおこもり症候群・・・しかしここ数日は春めいた天気、啓蟄よろしく動き出そうかな。」のメールが届いた。昨日は、友人から某所になかなか優れものらしい蕎麦屋情報が届いた。
どうやら・・・梅は咲いたか桜はまだかな・・・春なのでそろそろ始動せよということだろう。うん、今日の暖かな日にも家でテレビの囲碁観戦三昧、まことに腰が重たい俺。
そういえば、出がけに靴の紐を結ぼうとかがんだ拍子に腹が使えて息苦しさでのけぞる昨今。こりゃいかん、犬の散歩ごときではこの脂肪は解けることはない。さぁ〜始動せよ!

2月15日(日)

逆輸入!

【21064】

 昔から、地方出身者で出世する業界人は仮の宿として阿佐ヶ谷を選択し、いずれ町から離れて行くのが最良。阿佐ヶ谷に住み続けるヤツは出世しないというのが定説であった。が昨今、あらゆるジャンルで名をなした著名人が、わざわざこの阿佐ヶ谷の町を目指して転居してくるという、逆転現象が起きているのだ。たとえば阿部譲二、梁石日、足立正生、大地丙太郎さんなどなど・・・そして阿佐ヶ谷に引っ越してきたと昨日俺の店にベーシスト井野チンと現れたのが----なんと邦楽囃子仙波流家元、パーカショニスト、マルチアーチスト仙波”師匠”清彦さん。にわかにはなやぎだした店内には、井野チンとのユニットを組むねじめさんも、アメリカから帰国中のY君、N映画監督も後から同席。
やんややんやの大にぎわい。なんだか、一昔前の文化のかおり高い阿佐ヶ谷に戻り始めたようである。いよいよ沿線文化を担ってきた阿佐ヶ谷、再興の時がきたのだろうか?
なんかいい気配だ・・・。そうだ今年の阿佐ヶ谷ジャズストリート鈍我楽は、はにわの巨匠に頼もうか・・・などと、ずっと先のことなのに妙に気が急く俺であった。

2月14日(土)

閑なのだ!

【21063】

 月曜、「ミスティック・リバー」を新宿ピカデリーの朝一番上映で観る。火曜、吉祥寺オデオンで「タイムライン」を観る。水曜、ケーブルテレビにて「他人の顔」を観る。
水曜、またまたケーブルテレビにて「羅生門」、「PARTH 7」。「ららら科学の子」読了。松本清張「馬を売る女」、司馬遼太郎「黒白」上中下巻購入。木曜、「カノン」。金曜、「ハート・オブ・カラー」・・・氷河期を迎えたような仕事は閑すぎるほど閑?なんだかなんだかなぁ〜で、とりあえずとりとめのない時間を潰しまくる一週間だった。
それにしても、寝しなの睡眠薬として再読しているギャビン・ライアルの「本番台本」・・・すでに枕元に置かれて何週間・・・何時になったら読了するのだろう(モノローグ)

2月8日(日)

三バカ登場

【21057】

 かれこれ十数年以上昔から、我が東京あど弁舎チェーンの大常連で映画業界の三バカ監督が数年ぶりに偶然勢揃いしたのが嬉しくて、記念の写真を撮らせてもらった。
嬉しかったのは俺ばかりではなく、最初に現れれたN氏などはすでにウーロン酎を6杯も腹に納めてのほろ酔い機嫌。そこへW氏が、暫くしてS氏が登場となり、N氏のテンションはヒートアップするばかり。珍しくカウンターには見慣れた顔がずらりと並ぶ心安さから、その場の雰囲気もやんややんやの賑やかさに、メートルがあがった会話の声も上昇の一途。こうなると、永年撮影現場で鍛えた映画関係者の大声が圧倒的に凄みを増すのは常のこと。気が付けば先のN氏の饒舌の筒先は、旧友S氏に向けてお約束のようなの機銃掃射。N氏の雨霰の矢玉をさらりさらりと受け流しつつも、S氏のグラスに満たされた芋焼酎を開けるピッチもトップにギヤチェンジ。根っからの映画屋の三人は寄るとルーティーンのように、映画の話題から大議論大会になる。その辺りを睥睨する彼らの声の大きいこと。見知らぬものがこの場にいたら「ほなこの辺でさいなら」と尻に帆かけて退散は必定。
荒野に佇む野中の一軒家ではあるまいし・・・この連中に限らず映画関係者の声のでかいことといったら、そんなに吼えなくてもよかろうと思うお店の店主なのである。
いやはや毎度毎度のことながら、こりゃひょっとして俺の短い人生の寿命を裂かれているような・・・いやいやそんな・・・こんな連中が面白くてしようがない、本音である。

2月4日(水)

シービスケット

【21053】

 「カラー・オブ・ハート」のトビー・マクガイアに好感を抱いていたので、お馬さんの映画というのが気にかかっていたが「シービスケット」を吉祥寺に観に行った。
お馬さん映画とたかを括って館内にはいると、いきなり「シービスケットはこちらに二列にお並び下さい」の声に階段を見あげると、なんとなんと老若男女の長蛇の列に吃驚。
お待たせしました入場でぇ〜〜すの声に、劇場内に吸い込まれてゆく人人人で、あっという間の満員御礼状態。うぅ〜ん今日は週半ばのウィークデーで水曜。女性半額の日といえど大したものである。先般観劇した「たそがれ清兵衛」「パイレール・オブ・カリビア」「ラストサムライ」「半落ち」などなんど観る映画観る映画大盛況なので、昔の映画館の熱気が甦ってきそうな気配すらある。さて「シービスケット」であるが、前半の場面転換とカット割りの悪さ、人物描写の手際の悪さに辟易すながら、主人公シービスケットが登場するまで30分以上が費やされる。しかし、シービスケットが登場した頃から俄然テンポ鋭く歯切れの良いシーンの連続に、観客たちは一気にスクリーンに没入してゆく。
ラスト間際の感動場面には、あちらこちらで鼻を鳴らす音、目頭を押さえる人に、えっぇこれで泣くのか最近の観客は落としやすいなぁ〜。
今月後半に上映される崔洋一監督が撮った「
盲導犬クィ−ル」などは、監督本人の言葉ではないが、大ヒット間違いなしだろうと、今日も泣きの映画に妙な感心をしたのである。